東急東横線旧渋谷駅ホーム・線路跡地などに35階建ての高層ビルを建設する「渋谷駅南街区プロジェクト」(渋谷区渋谷3)の工事が8月上旬より、本格化する。
東急電鉄と東横線隣接街区の権利者が主体となり進める同プロジェクトは、東急東横線と東京メトロ副都心線との相互直通運転により地下化した東横線旧渋谷駅ホームと線路跡地、周辺敷地を活用したもの。昨年8月から既存建物の解体など準備工事を進めてきた。
敷地面積は約7100平方メートル。建築するのは地上35階・地下4階、高さ約180メートルの高層ビルで、延べ床面積は約11万6300平方メートル。フロア構成は、低層部=飲食店を中心にした約3000平方メートルの商業施設、中層部=東急ホテルズ(予定)が手掛ける約180室のホテル、高層部=賃床面積約4万5000平方メートルのオフィスを予定。併せて、クリエーティブコンテンツ産業の発展やそれに関わる人材の育成・交流施設、ビジネスのほかライブなどのエンターテインメントにも対応するホールなども配置する。
同時に、国道246号線をまたぐ旧東横線の高架線路を生かした歩行者デッキや、エスカレーターやエレベーターなどで多層を上下で結ぶ「立体広場空間(アーバンコア)」を地下2階~地上2階にわたって整備し、東急線・東京メトロ線・JR線の各線の出入り口と接続させる。これにより、現在は国道246号線や明治通りなどにより渋谷駅のにぎわいから分断されている渋谷3丁目地域と渋谷駅のアクセス向上を目指す。
同プロジェクトでは、隣接する二級河川渋谷川の再生にも着手。清流復活水を活用した水辺空間や約600メートルにわたる緑の遊歩道、広場など、代官山方面へのネットワークを形成する。
2018年夏に完工し、同年秋に開業する予定。