表参道駅近くに7月16日、ビストロ「&ecle(アンドエクレ)」(港区南青山5、TEL 03-6712-5018)がオープンする。経営はパルコ(渋谷区神泉町)。
米やシリアルクーリを組み合わせた「クーリシャス」を主力にする料理
同社と仏シェフのオリヴィエ・ロドリゲスさんが共同で手掛ける同店。ロドリゲスさんは、2007年からミシュランガイドで1つ星を獲得しているマンダリンオリエンタル東京(中央区)内のフレンチダイニング「シグネチャー」のメーンシェフを7年間務めていた経験などを持つ。併せて、同社が2013年から業務提携しているエスエルディー(桜丘町)に、経営面や内装デザインなどのアドバイスを受けている。
同店は、ガストロノミーの技術を持つロドリゲスさんが作る料理を、サービスや装飾を簡素にすることでリーズナブルな価格帯で提供する「ネオビストロ」。店名は英語の「&(アンド)」と、フランス語の「eclectique(折衷的)」を組み合わせた造語。30~40代の女性をコアターゲットに据え、ブランディングの意味も込めてパルコ館内ではなく同エリアに出店した。
店舗面積は約150平方メートル。席数はテーブル席49席(うち6席は個室1室)を用意する。店舗デザインも「折衷的」をコンセプトに、木材やタイルを使った床や「グラフィティカルな」タイルやレンガの壁など、さまざまな素材や色をミックスした「温かみのある落ち着いた空間」に仕上げた。インテリアデザインのアドバイスや、家具・調度品のセレクト・バイイングなどは、オープニングディレクター兼アンバサダーのモデルでコラムニストのクリス-ウェブ佳子さんが担当している。
「新しい料理を提案したい」という思いから、ロドリゲスさんが1年ほどかけて同店のために開発した、米やシリアルとフレンチソース「クーリ」を組み合わせた「クーリシャス」が主力メニュー。季節で味や素材は変わるが、クーリシャスは「ガーデン(野菜)」「オーシャン(魚)」「ファーム(肉)」各3種類を常時用意する。料理には、滋賀で有機栽培・減農薬などを取り入れて生産された米や、長野を中心に有機栽培・減農薬などで栽培している契約農家の野菜、函館から直送する魚など、国内産の食材を中心に使う。
ランチには、クーリシャスにスープ・サラダ・パンが付くセット(1,400円~1,800円)、クーリシャスを含めたコース(3,500円)を用意。ディナーには、クーリシャス(1,250円~1,500円)やコース(4,500円または5,500円)のほか、フィンガーフード10種類盛り合わせ(1000円)、長野県産野菜のフリカッセ、ブラックオリーブのクーリを添えたタイム風味のニュージーランド産羊肉(2,800円)などのアラカルト、単品メニューもそろえる。70種ほどそろえるワイン(グラス700円~、ボトル3,500円~)は、「フルーティー」「上品」など5つのカテゴリーに分けてメニューに記載している。
ロドリゲスさん自身、ネオビストロ業態を手掛けるのは初めてで「ストーリーやメッセージが簡単に伝わるように心掛けた」と言い、「特に日本人は昔から米を食べていると思うが、異なる調理や組み合わせなので(クーリシャスで)新しい魅力を楽しんでもらえれば」と来店を呼び掛ける。
営業時間は、ランチ=11時30分~14時30分、ディナー=18時~22時。同社は今後、カフェなど「クーリシャス」を主力にした他業態での出店を、各地のパルコ館内を含め視野に入れる。