渋谷ヒカリエ(渋谷区渋谷2)内の劇場「東急シアターオーブ」で6月25日、ブロードウェー・ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」が始まった。
1960年代に一世を風靡(ふうび)した米ボーカル・グループ「ザ・フォー・シーズンズ」の軌跡を描いた同作。ニュージャージー州出身のフランキー・ヴァリさん、ボブ・ゴーディオさん、トミー・デヴィートさん、故・ニック・マッシさんの4人で結成した同バンドは数々のヒット曲を発表し、1990年に「ロックの殿堂」入り。昨年は、フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ名義でヴァリさんが初来日コンサートを行った。
2005年に初上演し、翌年、トニー賞で4冠を獲得した同作は、犯罪行為やマフィアとのつながり、下積み時代や絶頂期、デヴィートさんの借金問題やマッシさんの脱退など苦悩や挫折、ヴァリさんのソロ活動、ヴァリさんの娘の死、ロックの殿堂入り時に4人そろってのステージなど、メンバーの実像を描いている。
劇中で使う楽曲はゴーディオさん自身が携わり、「シェリー(Sherry)」「恋はヤセがまん(Big Girls Don't Cry)」「恋のハリキリ・ボーイ(Walk Like a Man)」、ヴァリさんのソロ名義「君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You)」など33曲。
ヴァリさん役をダブルキャストで務めるミゲル・ホワキン=モアランドさんは、初日を迎え「キャスト、スタッフ皆興奮している」と話す。「ロックコンサートスタイルで、テンポよく流れるので楽しんでもらえると思う」とも。ゴーディオさん役のドゥリュー・ルーシーさんは「4人がどういう人物なのかや、楽曲などすべてを楽しんでもらえるのでは」と笑顔を見せる。
「文化や人たちなど日本大好き」というモアランドさんは2週間以上日本に滞在しており、「長野や岐阜、広島・宮島、京都などに行った」と話すと、デヴィートさん役のマシュー・デイレイさんは「(滞在中に)歌舞伎が見たい。日本の文化は何でも吸収したい」と目を輝かせていた。
上演時間は2時間35分予定(途中休憩あり)。日本語字幕付き。チケット料金は、B席9,000円、A席1万1,000円、S席1万3,000円。7月5日まで。