西武渋谷店(渋谷区宇田川町)A館7階特設会場で現在、ブラジルのデザイナーユニット「カンパナ兄弟」の展覧会「Antibodies:抗体」展が開催されている。
そごう・西武が展開する「Oi!Brasil2015~この夏、サンパウロに恋して~」の一環。同社が同企画を実施するのは2013年以降3年目で、今年はサンパウロをクローズアップ。サンパウロを中心にブラジルから買い付けた商品や、イラストレーターのフィリッペ・ジャルジンさんとのコラボレーション商品の販売などを通じて、ライフスタイルを提案する。
シンボル企画となる同展は、法律家の兄ウンベルト・カンパナさんと建築家の弟フェルナンド・カンパナさんによるデザイナーユニット「カンパナ兄弟」の世界巡回展。昨年、イタリアを皮切りに世界を回り日本に初上陸した。
カンパナ兄弟は、ブラジルの自然や人々の生活から着想を得て、木材やゴムホースなど身近な材料を使って作品を制作している。1989年~2009年にわたる20年間の軌跡を探る同展では、「リサイクル」「自然素材と人工素材の融合」「多文化の統合」に焦点を当て、椅子やランプなどのアートピース、写真、映像など約150点を展示。中には、巻きずしをモチーフにした「Sushi chair」など、日本のものから着想を得た作品もある。
期間中、井の頭通り沿いのA館壁面にはアーティスト、エドゥアルド・コブラさんのウオールペイント「RAKUGAKI」も登場。サイズは横21.5メートル×高さ4.5メートル。約2週間で描き上げた同作は、多民族で成り立っている「ブラジル統合の象徴」として音楽のリズムを表現している。
開催に向け来日したウンベルトさんは、「東京は多くのインスピレーションを与えてくれる。特に若者のファッションのカラフルさや自由さが印象に残る」と話す。「日本とブラジルは一見違うように感じるが、自然に対する扱いや手作業への思いなど、近くて似ていると考えている。ブラジルに日系人が多いのは、異なる文化でも心で分かり合えるからだと思う」とも。
営業時間は10時~21時(日曜は20時まで、最終日は17時まで)。入場料は一般500円、高校生以下無料ほか。4月26日まで。