代々木公園・イベント広場で3月11日、東日本大震災の追悼セレモニーが行われた。
SUGIZOさんが鳴らす鈴の音が響く中、黙とうをささげる加藤登紀子さんら
同日に先駆け、今月7日・8日に日比谷公園で開かれた「311東日本大震災 市民のつどい『ピースオンアースstage』」の一環。同イベントは「追悼と未来を考える場をつくる」という思いで、東日本大震災の翌年2012年から毎年開催。今年は2日間で2万5000人ほどが来場したという。
東日本大震災から4年を迎えた11日。代々木公園には平日にもかかわらず約1500人(主催者発表)が集まった。場内に設置した献花・追悼ドームでは多くの人が手を合わせる姿が見られたほか、メッセージボードには「東北魂」「ゆっくり進んで行こう」「加油(=中国語で頑張れの意味)」(台湾からの来場者)など思い思いの言葉をつづったポストカードが並んだ。
ステージではアーティストがライブを展開。被災地の小学生の日記を基に作ったという「青いこいのぼりと白いカーネーション」などを披露したのは歌手の加藤登紀子さん。「平和な日本であるように、毎日が素晴らしい日になるように過ごすことが大事。命は土の上に生きているもので、耕すもの。自信をもって耕してください」と呼び掛け、「愛を耕すものたちよ」を歌い上げステージを後にした。
LUNA SEAやX JAPANなどで活動するギタリストSUGIZOさんは「(東日本大震災は)学んで未来に進んでいくための教訓だったと思う」と振り返り、「過去のものとして記憶が薄れている人も多いかもしれないが、現地の皆さんはリアルタイムで奮闘している。市民皆が意志を固めないと事態は変わらない」と訴えた。ギタリスト佐藤タイジさんは「われわれは支え合って生きている。新しい結論を導き出す知恵や力を信じることが希望なのでは」とも。
仕事の休みを利用して来場した、祖母が福島・南相馬在住の野崎恵さん(37)と実家が宮城県内の渡辺江美さん(28)は、毎年追悼企画に足を運んでいるという。「4年前の3月10日のことは何も覚えていないが、3月11日のことは話した内容も覚えている」と言い、「自分からアクションを起こすことは難しいが、(追悼イベントなどに)参加することで手伝いができれば。思いをはせることで風化しないようにしたい」と話した。
被災地のがれき撤去などにボランティアで参加した経験を持つ千葉・船橋在住の森由梨さん(34)は「まだまださら地になっただけだったりする。観光とかでも(現地に)行くことが大切なのでは」とも。
14時46分には、SUGIZOさんが鳴らす鈴の音が響く中、1分間の黙とうがささげられた。