渋谷・道玄坂に活版印刷ができるコワーキングスペース-老舗印刷会社が出店

「人の温かみを感じてほしい」と来店を呼び掛ける長谷川賀寿夫店長

「人の温かみを感じてほしい」と来店を呼び掛ける長谷川賀寿夫店長

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 渋谷・道玄坂に活版印刷ができるコワーキングスペース「Printworks Studio Shibuya」(渋谷区道玄坂1、TEL 03-6416-1671)がオープンして間もなく2カ月を迎える。経営は1927(昭和2)年に創業した長谷川印刷(神泉町)。

40~50年代に作られた機械を用意する

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 「活版印刷」は、活字を組み合わせた鉛の文字や、凸上に突き出た絵柄の樹脂版にインキを付けて用紙に印刷する方法。技術の進歩に伴い衰退し、同社でも1970~80年代以降は取り扱っていなかった。印刷業界が「デジタル化のど真ん中」にある中、「触感から感じる人の温かみは忘れてはいけないのでは」(店長の長谷川賀寿夫さん)という思いから同スペースを開いた。

 創業以来、渋谷で商売をしてきたことなどから、「出店するならやっぱり渋谷」と考えたという。店舗面積は約20坪。白を基調にした店内は「印刷工房のような空間」に仕上げた。エントランスの扉や照明、椅子などには、ビンテージ風のデザインを採用した。

 店内には、40~50年前の手動の活版印刷機(通称:テキン、手フート)を4台用意。1日2回(13時~16時、18時~21時)、現在は各回1組(2人まで)のみ対応する。利用には1週間前以上に予約が必要。利用料は、初回(ナビゲーション付き)=3時間5,400円(樹脂版制作費込み)、2回目以降=同3,780円。いずれも名刺サイズ40枚またはハガキサイズ25枚が付く。

 コワーキングスペースとしては26席を用意。Wi-Fi・電源完備、軽飲食物の持ち込みも可能。簡易断裁機や角丸機、リング製本機などの用具で紙を加工できる「ワークスペース」も用意。中央の8人掛けテーブル「レターテーブル」は、ワークショップなどでの利用も可能。

 利用料は、座席=1時間540円、2時間~1日1,080円、ワークスペース=30分216円、レターテーブル(要予約)=1時間2,160円(別途人数分の座席利用料1時間540円がかかる)ほか。

 同店では、名刺(100枚8,640円~、200枚1万5,120円~)など活版印刷の注文も受け付けている。自身で作成したデータからも印刷できる。用紙は標準台紙2種のほか、50種ほど用意するセレクト台紙(2,160円~)からも選べる。納期は約2週間。

 店内では、活版印刷で作ったオリジナル・インポートのグリーティングカード(216円~)や、名刺サイズ~A3サイズのセレクト用紙(11円~)なども販売している。

 オープン後は20~30代が中心に利用している。活版印刷の魅力について長谷川さんは、「紙選びからこだわることで触感も変化するし、手作業だからこそかすれやへこみなど一枚一枚仕上がりが異なる」と話す。「作って送る側だけでなく、受け取る側も手作りだと喜びが増すと思う。そうして人と人のつながりが生まれていくのでは」とし、「活版を通じて、印刷や物づくりを楽しんでいただければ」と来店を呼び掛ける。

 同店では情報発信を兼ねてワークショップも定期的に開催。2月7日には、バレンタインデー・カードを作るワークショップを予定する。

 営業時間は10時~21時。日曜・祝日定休。

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