渋谷パルコ・パート1(渋谷区宇田川町)3階の「パルコミュージアム」(TEL 03-3477-5873)で11月14日、消しゴム版画家でコラムニスト・ナンシー関の「顔面遊園地 ナンシー関 消しゴムの鬼 見えるものしか見ない。そして見破る。ましてや彫る。」展が始まる。
1962(昭和37)年青森生まれのナンシー関は法政大学在学中に消しゴムでハンコを彫り始め、「丁稚シリーズ十連作」がコラムニスト「えのきどいちろう」さんの目にとまり、1984(昭和59)年消しゴム版画家としてデビュー。当時「ホットドッグ・プレス」編集者だった「いとうせいこう」さんに「ナンシー」と名付けられ、同誌の読者投稿ページでコラム連載「ナンシー関の漢字一發!」をスタートした。2006年、39歳で亡くなった。
彫った消しゴム版画の数は5000点強に上るというナンシー関。同館で2008年以来の展覧会となる同展では、約800個の生消しゴムはんこを「プロレス・相撲・ボクシング」「音楽」「お色気」「自画像」などのカテゴリー別に紹介。初の試みとして、ナンシー関の小説「通天閣はもう唄(うた)わない」を、「丁稚シリーズ十連作」のはんこを使い映像化した作品も上映。朗読はピエール瀧さんが担当した。
場内には、ほぼ全著作約80冊や、ドットの代わりに小さいミッキー安川の消しゴムはんこを押したロイ・リキテンスタイン風の作品、1985(昭和60)年~2002年に書いた中から抜粋したコラム、ナンシー関自身が消しゴムはんこを押印したウエディングドレスや靴、仕事道具、録りためていたというビデオやカセットテープも並ぶ。
併設するショップでは、ナンシー関の書籍をはじめ、雑貨メーカー倉敷意匠(岡山県倉敷市)とコラボしたマスキングテープ(411円)、手拭い専門店「かまわぬ」から発売される手拭い(1,404円)などを販売。同展オリジナル商品として、Tシャツやサコッシ(以上各3,240円)、はんこ版画(1,620円)などもそろえる。
開催時間は10時~21時(最終日は18時まで、入場は閉場30分前まで)。入場料は、一般=500円、学生=400円、小学生以下無料ほか。今月25日まで。