岡本太郎記念館(港区南青山6、TEL 03-3406-0801)で10月1日、「岡本太郎の言葉」展が始まった。
生前70冊ほどの著書を刊行した岡本太郎の「言葉」にフォーカスした同展。男女関係やスキーに関する言葉も残しているが、同展では人生や芸術に関する言葉のみをセレクト。同館平野暁臣館長いわく、「言葉」は岡本が油絵や彫刻と「同じくらい大事にしていた」ことから、「いつかやらなきゃいけないと考えていた」という。
第一展示室は畳を敷き履物を脱いで上がる空間で、座ったり寝転がったりできる。床には岡本の言葉約200種を印刷した紙を敷き詰め、来館者がその紙を1人1枚持ち帰ることができるようにした。壁面には岡本の言葉や、文字をモチーフにした「遊ぶ字」の原画などをディスプレー。室内奥には、岡本の墓石にもなっている「午後の日」のオブジェを設置。オブジェからは岡本の公演を録音した音声を流す。
第二展示室には、「にらめっこ問答」「今日の芸術」などの原稿やフジテレビ「ドキドキしちゃう」番組題字などの書などが並ぶ。壁一面には、岡本の言葉からインスピレーションを得て漫画家のタナカカツキさんが描き下ろした言葉と絵の作品も展示する。
平野館長は「(岡本は)本当のことしか言わないから、(その言葉は)普遍的でいまだに強度を持っているのでは」と分析。「今の時代こそ読むべき。(岡本の言葉に)向き合ってかみしめて考えてほしい」と来場を呼び掛け、若い人たちが岡本の言葉に出合い触発され、次の思想・表現、クリエーティブにつながれば」と期待を込める。
展示に際し平野館長があらためて感銘を受けた言葉は「もし世界が変えられないとしても、変えることができるものがある。自分自身だ」だという。
開館時間は10時~18時(入館は30分前まで)。火曜休館(祝日の場合は開館)。入館料は、一般=620円、小学生=310円ほか。2015年2月15日まで。期間中はギャラリートークも開く。