表参道交差点近くに9月20日、フットウエアブランド「iGUANEYE(イグアナアイ)」の世界初となる専門店「iGUANEYE Aoyama Main Store」(港区南青山5、TEL 03-6427-2703)がオープンした。
ヒップホップが好きだったことから「スニーカーを作ること」が夢だったという、フランス人デザイナーのオリビエ・タコさんが手掛ける同ブランド。デザイン学校に通っていた5年間(1998年~2003年)で原型を作り、デザイナーの仕事をしながら改良を進め2012年に初の商品を完成させ、ECサイトを通じて販売してきた。
知人を通じてタコさんと出会った仏エルメス・インターナショナル社上級副社長の齋藤峰明さんが商品に魅了され、齋藤さんが顧問を務めるシーナリージャパン(大阪市中央区)が独占販売契約を結び、同ブランドを展開するに至った。
「世界観を伝えるための拠点」として実店舗を出店。店舗面積は約11坪。商品コンセプトに基づきアルゴリズムの手法を使って設計した店舗デザインは、インテリアデザイナー水谷壮市さんが担当。商品が映えるよう白を基調にした店内には、水谷さん自身が持つ「『原始の記憶=洞窟・洞穴』のイメージを再現した」という、白く塗装した三角形のアルミパネル990枚で形成する曲線状のオブジェを配置。店内と外を「つなぐ役目」として、鏡面仕上げにしたステンレスのディスプレーも設置した。
「できるだけ自然・素足に近いかたちで歩けること」を追求した商品は、アマゾンのインディオがゴムの木から採った樹脂の中に足を漬け、まきの煙でいぶすことで足を保護していたことに着想を得て誕生した「FS」(9,720円)。ボディーにはリサイクル可能なゴム「エラストマー」を採用し、接着剤を使わないシームレスで仕上げた。取り外し可能なインソール(交換用2,160円)には天然コルクと天然ゴムを使い、表面は革張りにした。サイズは23センチ~27.7センチの8サイズ。カラーはそれぞれ6色用意。現在、次なる商品の開発も進めているという。
「長くて大変だったが、子どもが生まれる瞬間のような喜び。とても幸せでうれしい」と笑顔を見せるタコさん。日本のファッションについて「すてきだと思うのは、オリジナリティーがあり自分のエネルギーに合った服を着ていること。そして他人と違うことを受け入れている」と話し、「靴という概念を覆す当ブランドの主張は響くのでは」と自信を見せる。「来店して試してほしい」と呼び掛け、日本語で「よろしくお願いします」と話した。
営業時間は10時~20時。同社は当面同店のみで営業するが、主要都市などへの多店舗展開を視野に入れている。