表参道ヒルズ(渋谷区神宮前4)本館地下3階スペースオーで8月8日、ファッションブランド「KEITA MARUYAMA」などを手掛けるデザイナー丸山敬太さんの活動20周年を記念した衣装展「丸山敬太20周年祭『丸山景観』全集大成展」が始まった。
丸山さんは文化服装学院卒業後、アパレル企業に勤務。1990年にフリーランスでミュージシャンや俳優の衣装デザインを手掛けるようになり、1994年に東京コレクションデビュー。1996年に南青山に旗艦店を出店。翌1997年にパリ・コレクションデビュー。2013年には日本航空の客室乗務員・地上接客部門の制服デザインを手掛けた。
場内ではデビュー以降のコレクションをほぼショーピースのまま時系列で並べるなど、約200体のマネキンで1994年のデビューから2014年春夏までのコレクションを振り返る。場内奥には、アートディレクションを担当した森本千絵さんが、過去のコレクションで使った生地の柄などをコラージュして描いた山のアートワークを展示。来場者は同所で記念撮影を撮ることができる。
同時に、浜崎あゆみさんの紅白歌合戦出場時、野宮真貴さんの30周年ライブ時、篠田麻里子さんのAKB48卒業ライブ時などに提供した衣装も並ぶ。中でも、自身がファンだったことから手掛けるようになったというDREAM COMES TRUEの衣装は、最初に制作したという1991年「史上最強の移動遊園地 ドリカムワンダーランド’91」時のものもある。
原宿生まれで、同施設の近くにあったスペースでデビューコレクションを発表していることなど「縁(ゆかり)のあるこのエリアでやりたいと思った」と話す丸山さん。展覧会名は自身の服に「物語や景色があり、身につけることで新しいものが見えてくる」ことから「景観が見える展覧会にしたい」という思いで命名したという。「コレクションはそれぞれのシーズンのものだが、皆で生み出してきたものなので、一つのうねりになるような展覧会を目指した」とも。
倉庫にあるサンプルを見て「20年間ってすごい仕事量なのだと感じだ」と振り返りながら、デビュー時と変わらず「日常の中のファンタジー」「晴れの日の服」を意識し、「ハッピーな瞬間に選んでもらえたり、着る人の人生を後押しできたりする、心を満たすものづくりをするという根本は変わっていないのが分かった」と話す。
「まだ道の途中。洋服は人生を変えるくらいの力があると思うので、もっと自分の思う服を作りながら服やファッションの大切さを広げていければ」と今後の活動にも意欲を見せる。
場内では今月下旬に発売予定20周年記念本「丸山景観」(六曜社、1万6,200円)を予約販売(1500部限定)するほか、ポストカード(200円)やクリアファイル(600円)などの限定グッズも販売する。
開催時間は11時~21時(10日は20時まで、11日は13時まで、最終日は18時まで、入場は閉場30分前まで)。入場料は、一般500円、高校生以下無料。今月17日まで。