ワタリウム美術館(渋谷区神宮前3、TEL 03-3402-3001)で現在、「ルドルフ・シュタイナー展 天使の国」が開催されている。
思想家・哲学者・教育者であるルドルフ・シュタイナーは1861年オーストリア帝国(現在のクロアチア)出身。1882年に「自然科学論文」(キュルシュナー版)を刊行するなど、20代はゲーテ研究者として注目を集めた。1899年~1904年には労働者共用学校の講師を務め、1912年に人智学(アントロポゾフィー)教会を設立。1919年にはたばこ工場労働者子弟のための学校を設立し、指導に当たる。1925年に64歳で亡くなった。
同館でのシュタイナー展は、1996年「黒板ドローイング展」、2002年「100冊のノート展」に次ぐ3度目。場内は3つのテーマで構成する。第1部は、シュタイナーが農民や労働者、学者たちへの講義で説明する際に用いた「黒板ドローイング」。同展では、1919年~1925年までの6年間で残された1000点のうち晩年の24点を展示する。
第2部「シュタイナーの建築とデザイン」では、1913年に着工し1922年に火災で消失した建物「第一ゲーテアヌム」のドキュメント写真や模型約300点、日本初公開となるガラス窓のためのドローイング28点などを展示。シュタイナーがデザインし現在も使われている家具やランプ、装飾品なども並ぶ。
第3部「第二ゲーテアヌムと現代アーティストのメッセージ」では、スイス・ドルナッハに建つ「第二ゲーテアヌム」と周辺の建物を、「建てない」建築家・坂口恭平さんのジオラマ図やハイビジョン映像、写真家・鈴木理策さんの写真などで紹介する。
開館時間は11時~19時(水曜は21時まで)。月曜休館。入館料(会期中何度も入場可能なパスポート制チケット)は、大人=1,000円、学生(25歳以下)=800円ほか。8月23日まで。