表参道に4月、低価格雑貨ブランド「AWESOME STORE（オーサムストアー）」の1号店「AWESOME STORE原宿表参道店」（渋谷区神宮前5、TEL 03-6450-6021）がオープンした。経営はレプハウス（世田谷区）。

自社で企画・デザインする商品

　デンマーク発「フライング タイガー コペンハーゲン表参道ストア」（神宮前4）、ファッション事業から参入した「アソコ原宿店」（神宮前6）、新興企業が手掛ける「レインボースペクトラム渋谷」（神宮前5）と、昨年秋から低価格雑貨店が台頭している原宿・表参道エリア。創業以来、「off&on（オフノオン）」を中心に「cafe table」「ETOWA」など生活雑貨ショップを手掛ける同社が「見ているだけではいけない」と、新業態として開発したのが「オーサムストアー」。店名の「AWESOME」は「すごい」「最高」などの意味。

　既存業態で培ったSPAのノウハウを基に商品の企画・デザインは自社で行い、生産は中国や東南アジアを中心とした200社以上の提携工場で行うなどして低価格を実現。商品企画・製造から1号店オープンまでを10カ月ほどで行った。利用客が「比較対照できる」こともあり、出店地は当初から原宿・表参道エリアに決めていた。旗艦店でモデル店舗に位置付けるため、路面に構えた。

　場所は「ウェンディーズ表参道店」跡。店舗面積は、地下1階＝約70坪、1階＝約30坪合わせて約100坪。多く商品を扱う地階を入り口に、レジのある1階を出口にする。店舗設計や内装デザインも自社で手掛け、1950～60年代のNY・ソーホー地区の街並みやガレージをイメージ。ファサードや店内一部の壁面はNYから取り寄せたレンガで仕上げ、間接照明にすることで店内を「少し暗め」に演出。什器はスチールやアルミ、木目を使ったものを配置する。生活の中で使うことをイメージさせる「提案型」のディスプレーを心掛け、キッチンアイテムを集積する一角には1950年代のアメリカ製キッチンを什器に使った。壁面にはアートを描いており、地階エントランスの絵には同社社長の堀口康弘さんの生まれ年「1995」の文字を入れ、1階壁面の絵の中には堀口さんの姿を描くなど「遊び心」も取り入れる。

　コアターゲットは20代後半～40代後半。ユニセックスで利用できるよう、「よりシンプル」かつ「トーンを落とした色味」にし、「長く使える」商品作りを心掛ける。花柄はアラベスクにするほか、動物モチーフなど「ファンシーな柄」を極力使わないなどして他ブランドと差別化を図る。現在展開するアイテムは1500種で、毎月約100種の新商品を投入。年内に3000種まで増やす予定。「生活するための雑貨」を提供するため、他ブランドが「まだ強化していない」キッチン＆テーブルウエアが6割を占め、その他ステーショナリーやインテリア雑貨、バスグッズ、ファッション雑貨などをそろえる。

　商品によっては完売次第、生産を終了するものもある。現在販売する商品の価格帯は43円（コースター）～2,592円（時計）。中心価格帯は216円～432円。商品例は、マイクロファイバーのキッチンスポンジ（5枚セット162円）や、サイズ豊富にそろえる食品保存容器（324円～1,058円）、タオル（ハンド162円～バス972円）、クッションカバー（324円～756円）、ペンケース（218円）、リングメモ（216円～324円）、フェイクグリーン（486円～864円）など。

　現在「人気ナンバーワン」アイテムは、コルクとフェルトの2種を扱うコースター（43円）で、50度以上の飲み物を入れると色が変わる「ワンダーマグ」（540円）、ランチョンマット（324円）が続く。6点前後を購入する人が多く、客単価は1,500円ほど。

　オープン後は30代など「若い主婦層」を中心に、20～60代など幅広く来店。男女比は3対7程度。堀口さんは「『もう一回来たい』という声が励みになる。低価格だからといって、商品作り・店作りも一切妥協はしていない。ものすごくこだわっているので、じっくり見ていただきたい」と来店を呼び掛ける。「まさに『オーサム！』と言っていただける店づくりが大事。アンケートなどを通じて、お客さまが求めているものを商品づくりに反映させていければ」とし、「低価格雑貨業界のトップを目指す」と意欲を見せる。

　初年度売り上げ目標は5億円。同社では大阪など地方の主要都市も視野に年内に2～3店舗を出店し、3年後には30店舗体制を目指す。

　営業時間は11時～20時。