11月1日、渋谷駅直上に開業する超高層複合施設「渋谷スクランブルスクエア(渋スク)」東棟の商業フロアを徹底ガイド。全出店テナント213店のうち、施設の顔の一つとなるレストランフロアと、ライフスタイル雑貨フロアが続く10階~14階を特集。
10階には、井の頭通り沿いに店を構える「渋谷店」(宇田川町)に次ぐエリア2店舗目となる「東急ハンズ」が登場。駅直結というアクセスの良さを生かし、「HANDS CULTURE SCRAMBLE」をストアコンセプトに、「楽しさ」「驚き」「ワクワク感」を提供する店を目指す。店舗面積は約1600平方メートル。ヘルス&ビューティー、ハウスウエア、アウトドア、ステーショナリーなど約3万5000SKU(在庫最小管理単位)をそろえ、フロア中央にはイベントスペース「208HANDS」も設ける。
同フロアの全2区画のうち、もう1店となる「ocha room ashita ITOEN(オチャ ルーム アシタ イトウエン)」は、伊藤園の新業態となる飲食・物販・イベントスペースの複合店。国内外に向けお茶にまつわる商品や情報を発信。種類豊富に取りそろえる抹茶や、日本茶、紅茶、抹茶ラテやほうじ茶ラテ、抹茶しるこなどの人気定番商品をはじめ、チーズティーや抹茶ビール、抹茶の風味を生かしたバゲットサンドイッチなど、お茶を使った新商品もラインアップする。希望者は抹茶をたてられるほか、複数のお茶をワイングラスで出すなど提供方法にも工夫を凝らす。
ライフスタイル・雑貨の11階は全5区画。
KDDIの全国13店舗目となる直営店は渋谷エリア初。通常のスマホ、アクセサリーなどのラインアップのほか、5Gに備えスマートグラス「NrealLight」やeスポーツなどの技術も体験できる。
奈良発の生活雑貨店「中川政七商店」の最大規模となる旗艦店は、路地に町屋が並ぶ奈良の街並み「ならまち」をイメージ。あえて曲がり角を作り、街なかを散策しているような体験を提案する。約4000点の商品をフルラインアップし、渋谷限定商品としてスクランブル交差点をデザインした「かや織ふきん」や「Mottaハンカチ」「靴下」なども用意。石川県「中島めんや」が作った「張子飾り渋谷犬」(4,180円)が並ぶ様子がかわいらしい。レジ横に置かれたミシンでは、ハンカチなどに刺しゅうをほどこすサービスも。ショッパーデザインは「good design company」の水野学さんが担当した。
「TSUTAYA」の新業態「TSUTAYA BOOKSTORE」は、ブックストア、カフェラウンジ、コワーキングスペース、スペシャルティコーヒーストアで構成。雑誌は常時137タイトル、1年分のバックナンバーをそろえるほか、雑誌窓側の眺望の良いカウンタースペースやソファラウンジなどの空間では、90分1,500円でコーヒー、ジュース、ミックスナッツなどが飲み・食べ放題となる。店内には「スターバックスコーヒー」も。
12階・13階にわたり展開するレストランフロア「FOODIES SCRAMBLE」のうち、12階には9店舗が店を構える。
埼玉・飯能の1号店に続き都内初出店となる地中海・アラビア料理レストラン「CARVAAN TOKYO(カールヴァーン・トウキョウ)」は、明治時代の洋館とアラビア建築を合わせた空間に、世界各地から集めた家具などを配置。ひよこ豆のペースト「フムス」や香草とひよこ豆で作るレバノンの素揚げ料理「ファラフェル」などアラビア諸国の前菜料理「メセ」の盛り合わせ「アラビアン・プレート」(2,640円)などを提供する。ワインは国内で輸入量がまだ少ないジョージアワインなどを提供。
恵比寿などを中心に、そば店「松玄」、「焼肉チャンピオン」などを展開するピューターズ(恵比寿西1)が手掛けるすし店「松栄」が商業施設初出店。カウンターで楽しめるすしは、好きなメニューを1品加えられるお任せコースなどを提供するランチメニューも。
宮崎・日南市の「塚田農場」を運営するエー・ピーカンパニー(港区)の新業態となるしゃぶしゃぶ・すき焼き店「しゃぶしゃぶ つかだ」。1人1鍋で楽しめる「ひとりしゃぶしゃぶ」を提供し、ステンレス製カウンター照明の表裏にあしらう「つ」の意匠を含め、店舗デザインはアートディレクターの佐藤可士和さんが担当。A5・A4ランクの黒毛和牛や神戸牛などをそろえ、ランチは1,400円~2,400円の価格帯で用意する。渋スク内には地下2階に弁当・総菜店もオープンする。
13階は、日本初や新業態を含む8店が登場。
天ぷらを気軽なバルスタイルで提供する「天寅(てんとら)」にはスタンディング席も特徴。刺し身でも食べられる新鮮な魚介や旬食材を、こだわりの油と衣でカラッと仕上げる揚げたてで提供。オリジナルの変わり天ぷらとシャンパンのペアリングも提案する。
スペイン王室ご用達レストランとして知られるスパニッシュ「Jose Luis(ホセ・ルイス)」の日本1号店は、ゴールドを基調とした店内に大きめのソファ席などを用意。スフレをのせた「濃厚なチーズがとろけるスフレトルティージャ」(S=1,400円~)や、パスタのパエリア、15種類のピンチョスなどを提供。コースは3,500円~。同店を経営するカトーレジャーグループ(千代田区)は同じ13階にうどん専門店「麺匠の心つくし つるとんたん」も渋谷エリア初出店する。
2003年にオープンし、もつ鍋ブームの火付け役にもなった「蟻月」は国内外合わせ10店舗目の出店。これまでのもつ鍋、もつ焼きに加え、初の博多屋台定番メニューを提供する新業態となる。月をイメージした店のシンボルにもなっている間接照明には「蟻月」の店名になぞらえ「アリ」の影を見つけられるかも?
14階には「公共メディア」へと進化するNHKの体験スペースとして、体感型デジタルコンテンツやラジオ公開収録などを展開する「NHKプラスクロスSHIBUYA」がオープン。オープニング企画として、人気バラエティー番組「チコちゃんに叱られる!」のチコちゃんを取り上げる「チコチャンブル交差展」を開催し、縦3×幅9メートルの大型モニターで4Kウエルカム映像を上映。
壁や床一面に描かれた渋谷マップの至る所にある「キヨエちゃん」のマーカーにタブレットをかざすとチコちゃんが登場しクイズに挑戦できるARマップや、窓から一望できる渋谷の景色にタブレットを向けるとチコちゃんが登場するARコンテンツなども用意する。
神楽坂路地裏に店を構える一軒家カフェ「神楽坂 茶寮」の渋谷エリア初となる新店では、和をベースにしたフード、スイーツ、ドリンクを提供。フードはダシや野菜など、ドリンクは厳選した茶葉と新しい飲み方のお茶にこだわったという。
「グッドデザイン賞」受賞商品のみを取り扱う「GOOD DESIGN STORE TOKYO by NOHARA(グッドデザインストアトウキョウ バイ ノハラ)」が渋谷エリアに初出店。文具や雑貨、インテリアや食品など「よいデザイン」に囲まれた心地いい暮らしを提案する。
商業施設に渋谷エリア最大規模となる全213のショップがオープンする渋谷スクランブルスクエアでは、専用アプリ、その名も「渋谷スクランブルスクエアアプリ」を実装。提携クレジットカードとひも付けQRコードで決済できるほか、支払い金額100円(税込み)ごとに「スクランブルポイント」1ポイント(1円)が発生。オープニング期間中は会員登録やアプリ決済利用者にポイントも進呈する。
新進デザイナーの青木明子さんが手掛けたインフォメーションスタッフのユニホームは、多様な客層に向け「信頼のある印象」でモダンなデザインに。音楽プロデューサーでベーシストの亀田誠治さんが書き下ろした商業施設のオリジナル楽曲にも耳を傾けてみてもらいたい。
営業時間
ショップ:10時~21時
レストラン:12階=11時~23時