野球・サッカーに次ぐプロスポーツリーグとして発足した男子プロバスケ「Bリーグ」開幕に合わせ、渋谷区をホームタウンとするチーム「サンロッカーズ渋谷」が参入。2季目となる2017-18シーズンも佳境を迎える中、チームと共に2シーズン目を戦う選手たちを紹介。まずは、プロ2年目のベンドラメ礼生選手。
――ベンドラメ選手にはナイキが好きな印象を持っています。
バッシュもナイキですけど、シンプルですごく格好いいしオフコートでも着られるので好きです。原宿のナイキショップにも行きますし、普段からナイキばかり。ホームアリーナ(=青山学院記念館)近くの「ナイキラボ」には行ったことがないので行ってみたいんですよね。
――オフの日はよく出かけますか?
元々活発な方じゃなく、もし1年休みがあったらバックパッカーをしたいくらい、のんびり自分の時間を過ごしたいタイプ。最近は「録画機能」を覚えてからリアルタイムでテレビを見なくなって12時前には寝ちゃうので、ご飯を食べに行ったり飲みに行ったりしても遅くは帰らないようにしています。
――休みの日は撮りためた番組を見る?
そうですね。でも、ドラマはダイジェスト版見て最終回だけしっかり見るタイプです(笑)。「ごめん、愛してる」っていうドラマ見ていました?僕、ずっと好きな(女性)芸能人に水原希子さんを挙げていたんですけど、最近は、そのドラマに出演していた吉岡里帆さん。楽しいことが好きなので、一緒にいて楽しくて笑顔が輝いている人がいいですね。
――趣味は?
趣味と言えるか分からないですけど、写真を撮るのは楽しい。加工もこだわっちゃいます…現代っ子ですよね(笑)
――Bリーグ初年度の「新人賞」に選ばれて取材される量も多くなったのでは?
そうですね、Bリーグになってトーク力は大事だと感じています。うまくしゃべりたいとは思っていますが、元々しゃべるタイプじゃなく、クラスで一番静かなキャラで、内弁慶ってずっと言われていて…。バスケを始めてから少しずつ自分に自信がついて明るくなっていったので、そこは勉強していきたいですね。新聞にでっかく載せられる言葉をポンって言えたら。イチロー選手みたいな、「はぁ~、なるほど」って思うような言葉、しゃべりにひとひねりほしいです。
――イチロー選手が好きなんですか?
一緒にプレーしたい選手って聞かれたらイチロー選手って答えています。野球はやったことありませんが、バスケ選手じゃなかったらプロ野球選手を目指したいと思っていました。
――スポーツ少年だったんですか?
いや、全然(笑)。バスケやり始めてからスポーツもできるようになりました。小学生の時ってドッジボールできたらモテモテじゃないですか。僕はバスケを始めた小3まで全然できなくて、バスケ始めてからボールが取れるようになりました。野球もキャッチボールとか、守備はめっちゃ得意ですよ、打てないけど…。あんな小さなボールが細いバットに当たる…意味が分からないです(笑)。
――プロとして1シーズンを終え、学生とプロの違いをどう感じていますか。
学生は上も下も離れていても3歳。その差は勢いでやり合える部分がありましたが、プロは多くのキャリアを積んだ選手がいて、その選手と戦うのはタフで大変だと感じています。学生の頃はプロになっても、もっとやれると思っていたけど、そううまくいかないし、まだ学生感が抜けていないのを感じていましたね。
――そうした意味では、今シーズン開幕前に日本代表として「2017アジア・パシフィック大学バスケットボールチャレンジ」に出場した経験は大きいのでは?
海外の選手との試合は自信にもつながるしいい経験になったと思います。だからこそ、日本で戦ってうまくいかなかった時のダメージは大きい。そういう時は、「こういう時もある」「これも一つの勉強だ」と、ネガティブに捉えないよう、すぐに切り替えるようにしています。実際、試合中に下を向いている暇はありませんからね。
――今自分に足りない部分ってどんなところだと感じていますか?
落ち着き、安心感。ボールを持った時の安心感が全然ない。どこか危なっかしいプレーもするし、ミスもまだまだ多い。ガードはミスしちゃいけないポジションだと思っているので。でも、ミスをしても「まだ若いから」と言って許されるのは好きじゃありません。
――落ち着きや安定感こそキャリアを積んで付いてくる部分だと思います。
経験と言ったらそれで片付いちゃうけど、同じ年で活躍している選手もいるので。経験が無いにしろ考えることはできるし、現状に満足はしたくないので。どう改善したらいいかは難しいですけど。
――逆に自分自身の一番の強みはどんな部分だと自負していますか。
シュートまでいくことができるのは強みだと思っています。ただ、決められないと自己中心なプレーになると思うので、決めきる力が欲しいですね。
――外国人選手にもひるまないプレーには本当に心躍らされます。
チーム、ヘッドコーチ含め「リングアタックしろ」と声を掛けてくれるし、回数を重ねるごとに自信にもなります。ビッグマンを引き付けてシュートを打つだけでも(仲間が)リバウンドを取りやすくなるので、リングにアタックし続けることが大事かなと思っています。
――元々ポイントガード(1番)ですけが、今シーズンはシューティングガード(2番)として出場することが多いですね。自身のプレースタイルに合っているんじゃないでしょうか。
2番はボールを受けてギャップをついてリングにアタックをして点を取ることにフォーカスしてもいいポジションなので、2番寄りのタイプだと思います。1番はいろいろ考えることもあるし、そうした意味では2番の方が少しは気持ちが楽というか、自分の持ち味を発揮できるポジションかと思います。ただ大学から1番をやってきて、今後1番をやる時にブランクがあって、できるか不安にはなります。今後生き残っていくためには自分のポジションを確立しなきゃいけないですし…。今は若さの勢いでやっていける部分はあると思うけど、これから先トップの選手になるには必要なことは何なのか考えさせられます。
――今シーズン心掛けているポイントは?
少しでも試合で「礼生が活躍して勝てた」とか僕のシュートで勝てたという試合が増えたら自信にもなるので、点数は積極的に取っていきたいです。平均10点以上は取りたい。活躍したいと思っている自分はいますが、意識しすぎると何もしなかった試合があると気にしちゃうし、評価が下がるのも感じちゃうので考えないようにしています。気負わず自分らしくやりたいなと。
――繊細なんですね。
注目されるようになって、いろいろ考えるようになりました。見合ったパフォーマンスができているかどうかは気になりますね。
――今のところ平均10点以上をマークできているので、順調なシーズンを過ごせているのでは?
(対戦)相手も警戒してきて、ディフェンスがタフになった中でどれだけ決められるかが課題になってくると思いますが、点数を取りに行く姿勢は緩めたくありません。
――チームとしてエースはつくらないスタイルですが、そういう意識は持っているんですか?
コートの中では年齢は関係ないと思っているので遠慮はしたくはありません。エースという言葉が合っているか分かりませんが、時間が無い時に最後にボールを託される選手になりたいと思っています。そういった場面で自分がボールをもらいに行くだけのメンタリティーを、もっと出していかなきゃいけない。得点が欲しい時にもっとボールを要求してもいいのかなとは思っています。
ベンドラメ礼生
1993年11月14日福岡生まれ。身長183センチ、体重83キロ。宮崎・延岡学園高校では1年からベンチ入りし全国高等学校バスケットボール選抜優勝大会(ウインターカップ)に出場。東海大学では全日本大学バスケットボール選手権大会(インターカレッジ)で4年連続決勝戦に進出し、1・2年時には優勝を経験。2016年1月、サンロッカーズ渋谷の前身「日立サンロッカーズ東京」にアーリーエントリーで加わり、昨シーズンのBリーグ開幕と共にサンロッカーズ渋谷に正式入団。初代新人賞に輝いた。2017年度にはユニバーシアード日本代表に選出されている。