渋谷の地域情報などを発信するネットラジオ局「Shibuya Cross-FM(渋谷クロスエフエム)」が7月7日に開局し、渋谷シダックスビレッジ(渋谷区神南1)1階のスタジオを拠点に放送が始まった。
運営は渋谷クロスFM(神宮前1)。同社は2013年1月11日の放送で休止した、コミュニティー放送「SHIBUYA-FM」のスタッフとして携わっていた江崎洋幸さんらを中心に、今年4月に設立されたばかり。立ち上げ当初は、インターネットによる動画付きのラジオとして配信し、本年度中にコミュニティー放送局の開設申請・許可を得て、電波を使った「コミュニティーFM」の放送を目指すという。
長年、コミュニティーFMの番組制作や営業などの仕事をしてきた江崎さんは、経営が難しいとされるコミュニティー放送局の開局に関して、「地域防災の意識付け」「インディーズミュージシャンの応援」の2つの意義を挙げる。「SHIBUYA-FM時代に3.11を経験し、渋谷に帰宅困難者があふれている状況を目の当たりにした。こうした中で、広いエリアをカバーするキー局にはできない、地域に密着したコミュニティー放送局ならではの地域防災へのサポートができることを実感した」こと、さらに「渋谷はライブハウスやクラブが多く、公園通りにはタワレコ、秋にはモディ(マルイシティ渋谷)にHMVがオープンするなど、音楽の街としてのイメージが強い。僕らのラジオ局では、ストリートミュージシャンの生演奏の場などを積極的に設け、ここから新しいアーティストを育てていきたい」と言う。
現在、番組は15時~22時に生放送。主なプログラムは、渋谷の地域ニュースや情報を紹介する「SHIBUYA VOICE」(月曜~金曜 15時~15時55分)、アイドルが日替わりでパーソナリティーを務める番組(月曜~金曜 17時~17時55分)、地下アイドルや地下バンドが出演する「地下ドル・地下バン発信基地!SHU-YA.Kの渋谷チャンネル」(火曜 21時~)など。今後はカルチャーや音楽番組のほか、地域の防災情報や商店街などの街情報も増やしていく予定だという。
江崎さんは「スタジオのあるファイヤーストリートは、渋谷と原宿間を行き来する外国人観光客が目立ち、ガラス越しにラジオ放送に気付いて立ち止まってくれる人が意外に多い。このスタジオが渋谷の新たな観光名所として根付いてくれたら」と期待を込める。
番組はPCやスマートフォンから同局のホームページにアクセスして聴くことができる。