忌野清志郎さん「ロックンロール葬」にファン集結-青山に長蛇の列

ラストステージに見立てた祭壇はカラフルなバラの花やキャンドルで彩られた。献花の際、涙するファンの姿も

ラストステージに見立てた祭壇はカラフルなバラの花やキャンドルで彩られた。献花の際、涙するファンの姿も

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 5月2日に亡くなったロック歌手、忌野清志郎さんの告別式が同9日、青山葬儀所(港区南青山2)で営まれ、関係者をはじめ別れを惜しむ多くのファンが参列した。

ライブ形式の「ロック葬」ではファンの大熱唱も

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 祭壇を「ラストステージ」に見立て、清志郎さんが息づく姿を感じさせる「ロックンロール葬」となったこの日は、最後の姿をひと目見ようと全国から集まったファンが長蛇の列を作り、清志郎さんの曲が流れる中、黄色やピンク、オレンジなどカラフルなバラの花で彩られた祭壇の前で別れを惜しんだ。

 正午から始まった告別式には関係者をはじめ生前清志郎さんとバンドや音楽活動などを共にした多くの著名人も参列。式は「青山ロックンロールショー」と題し「ライブ」形式で進行し、ピンク色の枠で縁取られた遺影の清志郎さんがほほ笑む中、俳優・竹中直人さんや女優の大竹しのぶさんらが弔辞を述べた。

 竹中さんは「まだ信じられない思いでいっぱい。絶対に受け入れることができない」と涙ながらに語り、学生時代に作った8ミリ映画への出演を快諾してもらったエピソードなどを交えながら「いつも『竹中』と声をかけてくれた。忌野清志郎はずっと僕たちの中に生きています。ずっとずっと大好きです」と声を詰まらせた。

 葬儀では生前音楽活動も共にしたロック歌手・甲本ヒロトさんも弔辞を読み、「数々の冗談をありがとう。今イチ笑えなかったけど」と弔問客を和ませ、「ファンにありがとうは言わない。僕もその一人だから。あなたが言ってください」と別れの言葉を締めくくった。

 ステージに見立てた祭壇に加え、葬儀所の外にはライブ時に使用したポスターやウサギの巨大バルーンなどが飾られファンを出迎えた。一般弔問客の受け付けが始まった14時過ぎには、前夜からできた列が青山霊園に沿って約1.5キロにも達し、葬儀所周辺は炎天下の中献花を待つファンの姿であふれた。

 北海道から駆け付け、メッセージ入りのヘルメットやモールなどで派手に着飾った最前列の男性ファン(39)は昨夜からの徹夜組。「訃報を聞いて全身の力が抜けた。悲しい」と心境を語り、「激しいステージの裏側で、地味で無口な清志郎さんが好きだった。今日はすべての曲が終わるまでいたい」。会場には若いファンの姿も。熊本から来たという20代男性は「ザ・ハイローズ」との共作で清志郎さんの音楽を知って以来、RCサクセション時代の曲やソロの楽曲を聴き始めたという。「まだファンになって3~4年ぐらい。一度もコンサートに行けなくて残念」と話し、「反骨精神の中にいつも愛情や優しさがあった。『ロックンロール』の人だった」と魅力に触れた。

 会場内では「雨上がりの夜空に」「スローバラード」などの人気ナンバーが流れると、時折ファンの熱唱が響きわたりライブ会場さながらの光景に。弔辞を読んだ大竹しのぶさん、竹中直人さんが献花を終え会場を後にする際、列を作っていたファンに進んで手を差し伸べ「ありがとう」と握手を交わす場面も見られた。

 関係者によると、集まったファンの列は日没以降も続き、葬儀終了予定の18時以降も式を続ける見込み。

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