ヤマダ電機が9月26日に開業する新店「LABI渋谷」(渋谷区道玄坂2、TEL 03-5456-6300)の内覧会が同25日に行われ、全国初登場となるハチ公像を意識したソフトバンク「お父さん犬」像や、都市型店ならではのサービス・機能がそろった売り場が報道陣に先行公開された。
LABI渋谷は、ヤマダ電機が昨年から出店を加速してきた都市型ストアブランド「LABI」業態の12号店で、「SHIBUYA109」の隣接地に開店。ビックカメラ、さくらやの競合2店が店を構える渋谷ハチ公口エリアに、同地区最大規模の地下1階~6階、総売り場面積5,565平方メートルの大型店が進出するとあり、渋谷エリアで新たな家電戦争が勃発(ぼっぱつ)するのは必至の情勢。
山田昇会長兼CEOは、競合各店に対する差別化などについて「(LABI業態は)地元密着型ではなく、広域商圏から幅広い客層を取り込める都市型店。(渋谷エリアの)市場活性化で、互いが発展するような経営を目指す」と明言を避けたが、渋谷店独自の提案として女性客を意識した商材の投入や、立地、利便性を生かしたサービスなどの点を挙げ、「余裕のあるレイアウト・設計、サービスカウンターの多さなどで既存の家電量販店のイメージをなくしていきたい」と話した。
地下1階~6階の全7フロアで共通するのは、売り場全体を遠くまで見渡せるよう圧迫感をなくし、商品を実際に手に取りやすい高さに設定した低めの什器。LABI業態の中でも渋谷店が初の試みで、壁面は既存店と同様、天井高くまで商材を置き、ボリューム展開を実現する。各フロアでは渋谷に訪れる若年層や女性層などを意識した独自のMDも随所に見られる。
地下1階は、デジタルカメラ、ビデオカメラを中心にオーディオ関連商品や一部カー用品などを扱うフロア。デジタルカメラは一眼レフの品ぞろえを厚くし、陳列にもゆとりを持たせた。1階、携帯電話・デジタルオーディオ売り場では、携帯電話をキャリアごとではなく、デザイン、大画面、新製品などのカテゴリー、機能ごとに陳列する。
注目の「ソフトバンク犬」像は同フロアの店頭に登場。「(ソフトバンク)孫正義社長に作っていただいた」(山田会長)という「お父さん犬」そっくりの真っ白な犬の像の下には「白戸家のお父さん」と書かれたネームプレートも。今後は集客の目玉の1つとして渋谷の「新たな待ち合わせスポット」としてもアピールしていく。ソフトバンクモバイルとは、壁面一帯に約2,000個のモデルを並べたコーナーやiPhone専用売り場などでも連携を強める。
2階は、渋谷店の中でも「最もゆったりと商品を並べたテレビ売り場」(同フロア長)のあるテレビ・デジタルレコーダーフロア。液晶、プラズマなど各メーカーのテレビはカラーバリエーションも多く取りそろえ、ホームシアターやアンテナ、AVパーツなども展開。パソコンと周辺機器を扱う3階では、PC各種やプリンターなどの商品に加え、その場で持ち帰れる小物を重点的に取りそろえる。
4階、冷蔵庫・洗濯機・エアコンフロアでは、環境に配慮した省エネ家電に力を入れる。商品の横には最高5つ星までで省エネ度を示すPOPを掲出、シングル層の来店を見込み、掃除機などは音が静かなタイプを積極的に提案する。モニターを多用し、実演映像を流しながら「分かりやすい」(同フロア長)商品提案を目指す。
5階は、美容器具、シェーバーなどの健康家電や調理家電、ブランド品などを展開。エスプレッソマシン、ミキサーなどインポート家電の本格的な投入は渋谷店が初。バッグ、時計などのブランド品も多く取りそろえる。最上階、6階CD・DVDソフト、ゲーム、玩具売り場には、高崎店と渋谷店のみでの導入となるCDのリスニング(試聴)スポットを開設。ソフトはブルーレイの品ぞろえを強化、玩具は大人向けプラモデルなどの商材も専用コーナーで展開する。
各フロア長によると、競合各店に比べ商品の価格設定は「安くする」(4階)、「オープンしてから」(3階)、「様子を見ながら調整していく」(2階)と反応はまちまち。全フロア合わせ社員数200人体制で、年間200億円の売り上げを目指す。
営業時間は10時~22時。