東急百貨店は3月27日、渋谷駅東口の東急文化会館跡地に2012年春、東急百貨店の新店を開業することを明らかにした。同社中期3か年経営計画の中で発表したもの。完成すれば渋谷駅に隣接し新たな商圏が生まれることになり、6月の東京メトロ副都心線開業以降、新宿や池袋とのエリア間競争の激化が予想される渋谷駅周辺への動向に、さらに注目が高まる。
新店は、東急電鉄が文化会館跡地に建設を予定している地上33階建ての高層複合ビルの地下3階~地上7階に開く。近接する東横店の売り場面積=約3万平方メートルに対し、新店の売り場面積は約2万7千平方メートル。JR渋谷駅を挟んだ構造の東横店に比べ、売り場の買い回り性は上がるとみられる。
2012年度内の完成を目指す同ビルには、中層部にミュージカル劇場やエキシビションホールから成る文化施設、高層部にはオフィス空間が入ることがそれぞれ明らかになっており、今年6月14日に開業する東京メトロ副都心線の「渋谷駅」(ホーム)とは地下3階部分で接続。ビル下層部には、坂状の地形に応じて周辺道路とも通じる専用通路を設けるなど、駅周辺の商圏や文化事業は大きく変化する。
東横店については建て替え計画も検討しているが、詳細は未定という。東急電鉄では渋谷駅周辺の大規模開発を含め、高齢化など沿線での「『質的・量的』な消費者動向を先取りした」(同社)事業展開を図り、2010年度までに860億円、2012年度までに1000億円以上の営業利益を目指すとしている。
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