東急電鉄は10月3日、渋谷駅東口・東急文化会館跡地周辺地区の都市計画概要を正式発表した。同社は同日、東京都に対し都市計画に関する素案を提出した。地上33階建ての高層複合ビルや新・渋谷駅の建設などを含む大規模再開発が本格的に動き出す。
計画は、東急電鉄と隣接街区の権利者が事業主体となり、都市再生特別措置法に基づく都市計画提案制度を活用する。周辺地域との歩行者ネットワークや交流空間形成、環境負荷低減などを整備方針に、駅前の新たな「シンボル」になる地上33階、地下4階の高層複合施設を建設。施設内の一部を災害時帰宅困難者向けの一時的収容所にする方針も盛り込んだ。
ビルは低層階を物販などの商業区画とし、中層部にはミュージカル劇場やエキシビションホールから成る文化施設を開設、高層部には事務所が入る予定。来年6月(予定)に開業する東京メトロ副都心線「渋谷駅」(ホーム)とは地下3階部分で接続。安藤忠雄さんがデザインを手がける吹き抜け構造の同駅は、2012年度に東急東横線との相互直通運転も開始予定。
同社は計画発表に伴い、建設計画ビルの完成イメージ図も公開した。張り出した中層部分には、最大で約2千人を収容する日本最大級のミュージカル劇場や関連施設が入る予定。ビル下層部は、坂状の地形に応じて1階~4階の各フロアで周辺道路などと通じる専用通路を確保する。
ビルは2009年春ごろに着工、デッキなどの関連工事を除く本体部分で2012年の完成を目指す。関連工事は2017年春に終了予定。
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