東日本大震災から3年を迎えた3月11日14時46分、渋谷でも黙とうがささげられた。
東急プラザ渋谷(渋谷区道玄坂1)1階には、同11日・12日に気仙沼産の商品を販売する物産展がオープン。気仙沼の街づくり事業を手掛ける気仙沼地域開発(気仙沼市)によるもので、同社は震災後、国の「緊急雇用創出事業」を活用した震災復興関連の業務を行っている。
その一環として、地元企業の販路拡大を目的に物産品を委託販売する物産展を都心を中心に開いている。出展ごとに販売する商品は異なるが、産地として知られるフカヒレ関連の商品は欠かさず取り扱っているという。今回は、地元の高校生が考案したという「なまり節ラー油」(950円)、ピーナツクリームを挟んだ菓子パン「クリームサンド」(180円)、大漁旗をモチーフにしたデザインのペンケース(800円)、市民が撮影した震災の写真などを収録した写真集(1,000円)などを並べる。商品の売り上げは全額事業者に渡る。
同社事務局長の及川順一さんは「全国の皆さんから支援いただいているので、何かしらお返しをしたいと思っている。物産展などを開き『こういう風になりました』という姿をお見せすることで伝わるのでは」と話す。同日14時46分には、同店スタッフの声掛けに合わせ、スタッフや、その場に居合わせた来店客が黙とうをささげた。
現在の気仙沼の様子について、「がれきなどは無くなったが、合意形成を図らないことできないこともあり、その先がなかなか進まない。人件費や資材費の高騰も要因の一つ」とし、「目に見えないので(復興を)実感できていない市民も多い」という。
「海に育てられてきたので海は恨んでいない。これからも共存していきたい。気仙沼をついのすみかにしたいと思えるようできれば」と意欲を見せ、「震災直後は何とか手に取って見ていただきたいという思いが強かったが、日本は島国で地震大国。最近は首都直下型地震や南海トラフ地震なども言われているので、われわれの姿を見て防災意識の向上につながれば」とも。
営業時間は10時~20時。
そのほか、東急電鉄は全線では14時44分ごろ、大地震を想定した列車の一斉停止訓練を実施。その後、46分からは約10秒間黙とうの時間を設け、乗客らが黙とうをささげた。東急百貨店東横店でも館内アナウンス後、来店客や販売スタッフらが哀悼の意を表した。渋谷駅周辺では福島民報・河北新報・岩手日報3社の合同紙が配布された。