東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)を中心に2月7日から、「第6回恵比寿映像祭」が開催される。
センター広場で披露する日中韓の3人組アートユニット「西京人」の作品
同祭は2009年にスタートしたアートと映像のフェスティバル。「世界的な文化創造都市・東京」の実現に向けて、東京都と東京都歴史文化財団が芸術文化団体やアートNPOなどと協力して実施する「東京文化発信プロジェクト」事業の一環として開催。同館全館や恵比寿ガーデンプレイセンター広場、恵比寿エリアのギャラリーなどを会場に、展示・上映・ライブパフォーマンスなどを複合的に展開する。
今年は「映像が映し出す現代社会の多様性を象徴的に示す」言葉である「トゥルー・カラーズ」を総合テーマに掲げる。出品アーティストは、25カ国・地域から69人超で、展示=22人・上映=42人・ライブ=5人が、それぞれ展開する。
同館地下1階・2階・3階各回展示室では展示を行う。イギリス出身のデイヴィッド・ホックニーさん=18台の固定カメラでジャグラーたちのパフォーマンスを撮影したビデオインスタレーション「ジャグラーズ」、インドネシア出身のナルパティ・アワンガa.k.a.オムレオさん=飛行機に乗って外国へ行ってみたいと考えた骸骨の主人公「THIS」の旅物語という設定のピクセルアート「旅するTHIS」、下道基行さん=かつて日本の領土・植民地だった地を訪れ、その時代に建てられた鳥居を撮影するプロジェクト「torii」など。
上映プログラムは同館1階のホールで行う。昨年のベネチア国際映画祭で特別招待作品としてワールドプレミアされた、中国ワン・ビン監督が手掛けるドキュメンタリー「収容病棟」をジャパンプレミアするほか、Googleの無料電子書籍化サービス「グーグル・ブックス」をめぐる訴訟などを通じて、世界規模での書籍の電子化が招く情報の独占の問題に迫るドキュメンタリー「グーグルと知的財産」(ベン・ルイスさん)などをラインアップ。黒澤明監督がビキニ環礁沖水爆実験を受けて制作した「生きものの記録」(1955年)と、東日本大震災前後の人々の日常の変化をテーマにした「3.11後の生きものの記録」(二ナ・フィッシャーさん&マロアン・エル・ザニさん)を併映することで、「いきものの記録」で描かれる日本の状況から、東日本大震災以降の日本の状況を考えるという。
東京では初の作品発表となる、日本=小沢剛さん、中国=チェン・シャオションさん、韓国=ギムホンソックさんの3人組アートユニット「西京人」は2カ所で作品を展示。地下3階入り口では、映像作品「ようこそ西京へ-西京入国管理局」を上映。展示空間に入る前の「入国資格」として、「笑う」「歌う」「踊る」のいずれかを披露することを審査とし、鑑賞者がインスタレーションに参加できるようにする。恵比寿ガーデンプレイス・センター広場には、貨物用コンテナ3台を使ったパビリオンを設置し、これまでに制作した作品を一堂に公開。同所では今月9日、メンバーがライブパフォーマンスを行う。
開催時間は10時~20時(最終日は18時まで)。入場無料(上映プログラムなど一部有料イベントを除く)。今月23日まで。