レーザーカッターなどの工作機械を備えたデジタル加工工房「アンドファブ」が11月29日、同日オープンした西武渋谷店モヴィーダ館(渋谷区宇田川町)7階のロフト新業態「LOFT&(ロフトアンド)」内にオープンした。「FabLab Shibuya(ファブラボ渋谷)」(宇田川町)が受託運営する。
同フロアのコンセプトは「LOFT&Creation(ロフトアンドクリエーション)」。アーティストグッズや作家性の強い期間限定ショップなどを展開するフロア内に同工房を常設する。ファブラボ渋谷は、世界中で広がる新しいものづくりのワークショップのネットワーク「FabLab」の国内組織の一つとして、2012年にシェアオフィス「co-lab(コーラボ)渋谷アトリエ」内で活動を開始。今年9月には、シェアオフィス内にクリエーター向けのデジタルファブリケーション工房「co-factory(コーファクトリー)」を開設するなど、渋谷を拠点に「つくる文化」「つくる技術」の普及に努めている。
両工房について、ファブラボ渋谷代表の梅澤陽明さんは「アンドファブを通じて、一般の方に『ものづくり』のきっかけを得てほしい。もっと時間をかけて複雑なものを作りたいと感じたらファブラボ渋谷へ」と話す。
工房の面積は15平方メートル。レーザーカッター、UVプリンター、ペーパーカッターなどの工作機械を備える。対面式のカウンターにはファブラボ渋谷のメンバー2人が常駐し、デジタル加工のサポートを行う。工房の向かいには多目的スペースを設け、「3Dプリンターや、ものづくりに関連するワークショップ」などの開催に利用していくという。
利用手順は「無印良品」「LOFT&」で購入した商品とレシートをカウンターに持ち込み、スタッフにアイデアを相談。購入した素材などに応じた加工方法の提案を受けながら、スタッフとの共同作業でデータを作成(写真データのみ持ち込みが可能)。データを基に工作機械でデジタル加工を行い、カスタマイズ商品が完成する。相談からデータ作成までに1人30分間程度の時間を見込む。
現在の加工対象商品はノートや電卓、木製スタンド、詰め替えボトルなど15点で、今後対象商品を徐々に増やしていくという。加工価格はレーザーカッターの場合、はがきサイズ=1,300円、A4サイズ=1,500円。UVプリンターの場合、はがきサイズ=1,800円、A4サイズ=2,300円。制作個数に応じて価格は異なるほか、大量ロットの相談にも応じる。
「子どもの描いた絵を写真データで持ち込んでもらえれば、シャンプーボトルなどにUVプリントするのもすてき。誕生日や記念日などのギフト需要にも」と利用を呼び掛ける。
営業時間は12時~21時(受け付け終了は20時)。