東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内、TEL 03-3280-0099)を中心に2014年2月、「第6回恵比寿映像祭」が開催される。
同祭は2009年にスタートしたアートと映像のフェスティバル。「世界的な文化創造都市・東京」の実現に向けて、東京都と東京都歴史文化財団が芸術文化団体やアートNPOなどと協力して実施する「東京文化発信プロジェクト」事業の一環として開いている。同館全館や恵比寿ガーデンプレイセンター広場、恵比寿エリアのギャラリーなどを会場に、展示・上映・ライブパフォーマンスなどを複合的に展開する。
初開催時は10日間で約2万7000人が、地域連携を始めた第3回には約4万7000人が来場。会期を15日間に延ばした第4回では、センター広場で行ったアートユニット「エキソニモ」の展示を中心に好評を博し8万9000人以上が来場したという。
そうした中、「新たな展開」に向け、現代美術の展覧会企画を手掛け2010年から同祭のキュレーターを務めていた北澤ひろみさんを新ディレクターに起用。「映像が映し出す円台の多様性を象徴的に示す」言葉である「トゥルー・カラーズ」を総合テーマに掲げる。
同館の全展示室を使う展示企画には、渡り鳥の生態や風の流動性に着目した新作「wayfinding」を展示予定の写真家・朝海陽子さんや、今年の国際美術展「ベネチア・ビエンナーレ」で銀獅子賞を受賞したフランスのカミーユ・アンロさんなど、13カ国から14組が参加予定。センター広場では、日本=小沢剛さん、中国=チェン・シャオションさん、韓国=ギムホンソックさんの3人組アートユニット「西京人」が東京で初の作品発表を控える。
上映企画では、今年のベネチア国際映画祭で特別招待作品としてワールドプレミアされた、中国ワン・ビン監督が手掛けるドキュメンタリー「収容病棟」をジャパンプレミアとして上映。メディアアーティスト藤幡正樹さんの初期作品特集、東アジア・東南アジアの11の国と地域の現代美術作家の短編作品によるプログラムなども予定する。
同館・荒木誠副館長は「2020年の東京オリンピックが決まり、日本の外交における文化の役割も期待されている。(当イベントを通じ)おもてなしの心を伝えていけたら」と意欲を見せる。