渋谷パルコ・パート1(渋谷区宇田川町)3階の「パルコミュージアム」(TEL 03-3477-5873)で10月4日、デザイナー山縣良和さん・坂部三樹郎さんがプロデュースする「絶命展~ファッションの秘境」が始まった。
同展をプロデュースする(左から)坂部三樹郎さんと山縣良和さん
東コレブランド「writtenafterwards(リトゥンアフターワーズ)」を手掛ける山縣さんと、「MIKIO SAKABE(ミキオサカベ)」を手掛ける坂部さんが「常に流動的に変化していくファッション」を提示する同展。山縣さんや坂部さんのほか、山縣さんが主宰するファッション表現の実験と学びの場「ここのがっこう」の受講生など若手デザイナーらが参加する。
山縣さんは、織物を織る際に経糸の間に緯糸を通すために使う道具「シャトル(=ひ)」をイメージした「スペースシャトル」と題したオブジェを展示し、「ファッションのルーツ」を表現。坂部さんは、「セーブポイント」をテーマに、「ファイナルファンタジー」や「風の谷のナウシカ」をイメージしたファンタジックな空間とともに、環境問題や汚染をテーマにした2014年SSシーズンのコレクションを紹介。場内には、参加デザイナーによるファッションイラストレーションや、インスピレーション源として美術家・荒川修作の作品なども展示する。
「生々しさ」をテーマにしていることから、本物の人間をマネキンとして配置したり、モデルが着用する衣装が変化したりするのも特徴。展示の一部は、前期(今月9日まで)と後期(10日から)で入れ替えるほか、7日~10日はモデルたちが不在の「大地編『死の四日間』」と位置付ける。
期間中、参加ブランドによるファッションショーや、山縣さんや坂部さんのほか、モデルで歌手のUnaさん、でんぱ組.incの夢眠ねむさんなどを招いたトークショーなども展開。
山縣さんは「これまでファッションの展覧会というと、物(=服)を展示するだけだったが、モノではなくコトを表現したいと思った。モデルがいて、服があって、空間がある。その全てが連動していると思うので、生きているような展覧会にしたかった。会期中に内容が変化するので、『輪廻(りんね)転生』のような体験をしていただけたら」と話す。
坂部さんは「ファッションを拡張させたものを展示しているので、ファッションではないものもあるが、可能性を感じることができると思う。若い人たちが、ファッショの自由度を感じて見つけてほしい。そして、もっともっと変なものを作ってファッションを広げてほしい」とも。
開催時間は10時~21時(最終日は18時まで、入場は閉場の30分前まで)。入場料は、一般=500円、学生=400円、小学生以下無料(「大地編」は一律100円)。今月14日まで。