シアター・イメージフォーラム(渋谷区渋谷2、TEL 03-5766-0114)で9月21日、独出版社を追ったドキュメンタリー映画「世界一美しい本を作る男-シュタイデルとの旅-」が公開される。
「世界一美しい本を作る」と称される独出版社・シュタイデル。1968年、ゲルハルト・シュタイデルさんが同社を設立するとともに印刷所を開設。芸術家ヨーゼフ・ボイスらの版画やポスター制作を経て、1972年に初のアートブックを手掛けた。1996年から、特にドイツ国外に向けた写真集の出版に力を入れている。書籍の編集からディレクション、レイアウト、印刷、製本、出版までを自社で行っているのが特徴。
シュタイデルさんは、ニューヨークやパリ、カタールなど、世界中のアーティストたちのアトリエへ自ら足を運び打ち合わせを行い、収録作品や使用する紙、インクの選定など細部までこだわる。手掛けるのはノーベル賞作家の新作からシャネルなどブランドのカタログまで幅広い。同作ではシュタイデルさんの仕事の様子を1年間にわたって記録した
メガホンを取ったのは、ドイツのゲレオン・ヴェツェル監督とヨルグ・アドルフ監督。共にミュンヘンテレビ映画大学出身で、フリーの映画製作者として活動。ヴェツェル監督は2011年、スペインのレストラン「エル・ブリ」を追ったドキュメンタリー「エル・ブリの秘密 世界一予約のとれないレストラン」で一躍注目を浴びた。
期間中は写真評論家の飯沢耕太郎さん、ドラァグ・クイーンのヴィヴィアン佐藤さんらゲストを招いたトークショーも開く。