「場づくり」の実践を学ぶための学校「B-SCHOOL(ビー・スクール)」が9月18日、渋谷のコワーキングスペース「co-ba」(渋谷区渋谷3)で開校し、初めての授業が行われた。
アイスブレークとして受講生同志で似顔絵を描くワークショップの様子
co-baを運営する「ツクルバ」(同)と、丸の内朝大学で企画やディレクションを手掛けるPR会社「バウム」(中央区)が共同経営する同スクール。ツクルバ社長の中村真広さんは「建築不動産のハードから考える『ツクルバ(=作る場)』と、ソフトを中心にやっている『バウム(=場生む)』はそれぞれアプローチが異なるが、同じ『場』をテーマにした会社同志。一つのプロジェクトを作って進めて行く中で、両社の学際領域みたいなところが見えてくるのではないか」とし、「ワークショップやイベント、誕生会でも、さまざまな場づくりができるプレーヤーをもっと増やしていきたい」と新しい取り組みに意気込みを見せる。
同日19時30分から始まった授業には、不動産関係や銀行員、地域活性化を担うコンサルタント、学生など、職業や年齢層の異なる1期生30人が参加。50代の岡野利明さんは「30年間勤めていた出版社を早期退職し、来春、石川県にIターンで移住する。それに向けて、ソーシャルビジネスやコワーキングスペースなどのアイデアを膨らませ、向こうで新しい最先端の場をつくっていきたい」と参加の理由を明かす。受講動機も、「大学3年生の今、就職活動でどのような道に進むか考えている時期」(山盛将さん、20代)、「店舗デザイン設計の営業を1年半くらいしているが、ちょっと煮詰まってしまい…」(桑原みわさん、20代)などとさまざまだ。
この日の講義の前半は、初対面の受講生たちのコミュニケーションづくりや雰囲気を和ませるため、アイスブレークとして受講生同志で似顔絵を描くワークショップを実施。後半は中村さんが講師を務め、co-baがオープンするまでの過程、コワーキングスペース内で実践する「シェアライブラリー」、渋谷の街で展開する「はしご図書館」など、この2年間に自らが実践してきた「場づくり」の事例を紹介した。
今後、co-ba(渋谷)とバウム(日本橋)を交互にキャンパスとしながら、チーム別のフィールドワークやワークショップ、プレゼン会など、残り6回(各90分間)の授業を経て、受講者それぞれが考える「場づくり」の新しいアイデアを創出し、最終的にそれを具体化していくという。
授業を終え、中村さんは「受講生は背広の方からカジュアルな服装の方まで幅広く、年齢もバラバラで想定外だった。幅広い層が集まったので、今後のグループワークやディスカッションがとても楽しみ」と手応えを明かした。