3月15日の東急東横線と東京メトロ副都心線の相互直通運転(以下、相直)を記念した企画の一環として、東京急行電鉄が3Dポストカード3種を企画・販売したところ、3カ月余りの間に約3000枚近くを売り上げた。
観光客に人気の「忠犬ハチ公像」「スクランブル交差点」「渋谷ヒカリエ」の3カ所を被写体に選び、裸眼3Dを実現する高精度のレンチキュラープリント(立体印刷)を施して制作した。「スクランブル交差点」では、人が交差点を渡る様子を15枚の画像を連続的に重ね、「渋谷ヒカリエ」では昼と夜に撮影した外観写真2枚を合成するなど、奥行きのある動的な動きを1枚のポストカードに収める。
発案者は、同社渋谷開発事業部・樺(かんば)幸世さん。「渋谷の街ブランディングを担当している中で、意外にも『渋谷のお土産』があまりなく、世界のどこにでもある観光絵はがきが渋谷では売っていなかった」。当初は相直関連イベントのノベルティグッズとして考えていたが、ポストカードを渡した社外関係者から好評を得たことから、在庫分をテスト販売も兼ねて「渋谷エクセルホテル東急」や、渋谷ヒカリエ8階の雑貨ショップ「d47 design travel store」などで取り扱いを開始。国内外の観光客を中心に予想以上の反響を得て、「約3カ月間で3000枚近くが売れた」という。
4月末からは東急百貨店本店(1階)や東横店(各フロア)、ShinQs(2階)などで新たに販売を始めたほか、今後はグループ会社以外も含めて「渋谷の街」全体で販路を拡大していきたいという。
樺さんは「外国人や地方から遊びに来た観光者に向けたお土産はもちろん、東京の方からも好評を頂いている。『渋谷土産』のニーズの高さも分かったので、今後は他の方々にも参入していただき、『渋谷土産のマーケット』を活性化していきたい。そして、たくさんの観光客の方々にも喜んでもらえたら」と新しい市場に期待を寄せる。
同シリーズは「忠犬ハチ公像」「スクランブル交差点」「渋谷ヒカリエ」の3種類で、価格は各300円。