渋谷パルコ・パート1(渋谷区宇田川町)3階の「パルコミュージアム」(TEL 03-3477-5873)で5月17日、安齋肇さんの還暦博覧会「anzai expo 60」が始まる。
イラストレーター・アートディレクター、「ソラミミスト」などとして活動する安齋さんは1953(昭和28)年渋谷・広尾生まれ。桑沢デザイン研究所修了後、デザイン集団「グラフィック・ツアー・スーパーマーケット」を設立するも、半年後に解散。1976(昭和51)年に麹谷・入江デザイン室に入社し、デザインの基礎を学ぶ。1986(昭和61)に個人事務所ハロルド・コミックスを設立した。
今年12月21日で還暦を迎える安齋さんの60年に迫る同展。場内では、「Tシャツ」「ポスター」「泥酔」「楽器」「ホヤ」「ソラミミ」「油絵」など「○○アンザイ」を60のカテゴリーで紹介。みうらじゅんさんとのユニット「勝手に観光協会」のポスター、父親で肖像画家の安齋知行さんが描いた絵、オカリナのコレクション、ラジオを録音したテープ、表紙デザインを100号以上を手掛けた雑誌「レコード・コレクターズ」(ミュージック・マガジン)、安齋さんが挿絵を担当している「週刊文春」の近田春夫さんの連載コラム「考えるヒット」などを展示。「新作」が開催に間に合わず、会期中に来場して制作するという。
「グラフィックをやっていたころは、連日朝から(翌日の)朝まで作業していたので、あまり記憶にない。そのころ、みうらじゅんさんと出会い街に繰り出すようになりイラストレーションが増えていった。作風と生活スタイルはリンクしているなと思った」と安齋さん。
中には両親が保管していた3歳の時の写真や、5歳の時に描いた絵、小学2年の時に書いた作文も並んでいる。「今とやっていることはあまり変わっていない。切り抜いたり、文を書いたりしていたことが今の仕事になっている。(皆さんも)子どものころのものを捨てないでほしい」とも。
併設するショップでは、ピンバッジ(840円)や手拭い(1,050円)、Tシャツ(2,800円)といった同展公式グッズなどを販売。開催に合わせ、TOKYO CULTUART by BEAMSから発売される仕事集「work anzi」(2,940円)、ドローイング集「draw anzai」(1,890円)なども扱う。
開催時間は10時~21時(最終日は18時まで、入場は閉場の30分前まで)。入場料は、一般=500円、学生=400円、小学生以下無料ほか。6月2日まで。最終日14時から、宮藤官九郎さんとコラボした絵本「WASIMO」(小学館)の刊行を記念したサイン会を予定。場内のショップで同書を購入した先着100人に参加整理券を配布する。