新しい「東急百貨店東横店」(渋谷区渋谷2)西館・南館が4月4日、改装オープンした。
渋谷駅では3月16日に東急東横線旧渋谷駅駅舎の運用が終了。同31日の同店東館閉館に伴い、東館のテナントを2館に移設するなど改装を進めてきた。売り場面積は西館・南館合わせて約2万平方メートル。東館で60年以上営業していた名店街「東横のれん街」は渋谷マークシティ(道玄坂1)地下1階に移設し、西館地階の「東急フード―ショー」とつながった。
4日には「東横のれん街」の地下1階エントランスでセレモニーが開かれ、神谷潔店長や東横のれん会会長で、出店テナントでもある「味の浜藤」の森口一会長らが参加。神谷店長は「東横店は『まざり合うからたのしい』をテーマに、世代・カテゴリーを超えて、新しく楽しい買い物空間を提案していく。オープン後は全館をご覧いただき直してほしい」とあいさつ。「東横のれん街」に関しては「フードショーと直結することで食の楽しみ空間が倍増する。『食のことなら東急百貨店東横店』を目指し、これからも提案していく」とも。森口会長は「これまで伝統の味に加え、時代に合った商品開発をしてきた。歴史の重みを感じつつ、ますます発展していくことを誓う」と意欲を見せた。
渋谷マークシティ浅井浩一社長は「(当館は)これまでファッションが中心だったが、(東横のれん街がオープンすることで)より幅広い客層の方に来店いただけるのでは。フードのみならず、ファッションや雑貨などを買い回りいただける工夫・仕組みを施していきたい」と話す。渋谷ヒカリエ(渋谷2)が開業したことで「(駅の)東側が元気。これを起爆剤に、周辺の店舗とも連携し西側も盛り上げていきたい」とも。
司会者の「グランドオープンです」の掛け声とともにテープカット。その後、通常オープンより10分早い9時50分に開店し、来店客が店内に流れ込んだ。オープン時には2000人(東急百貨店発表)が並び、程なく入場規制も始まった。
8時20分から並んでいたという渋谷区在住の男性(77)は妻と2人で来店。以前の「東横のれん街」には「60年通っていた。昔はコンビニとかがなかったからのれん街で買い物することが多く、週に3回くらいは買い物をしていた」という。かねて、つくだ煮店「新橋玉木屋」「浅草今半」、中華総菜「維新號(ごう)」などをよく利用しており「慣れ親しんだ店がどう様変わりしているか。華やかになっているが、昔の、いわゆる老舗が集まる名店街の雰囲気、江戸の情緒は残っていてほしい」と期待を込めた。
営業時間は10時~21時(一部店舗により異なる)。