改装グランドオープンを翌日に控えた新しい「東急百貨店東横店」(渋谷区渋谷2)西館・南館の内部が4月3日、報道陣らに公開された。
渋谷駅では3月16日に東急東横線旧渋谷駅駅舎の運用が終了。同31日に同店東館が閉館した。東館を含めた売り場面積は約3万2000平方メートルだったが、再編で西館・南館の売り場面積は合わせて約2万平方メートルになった。環境面では「分かりやすさ」を追求。1・2階の入り口やエレベーター周りなどの共用部デザインを統一したほか、上層階を中心にフロア内各所にレストスペースを設ける。サービス面では1階のインフォメーション機能を強化。面積をこれまでの3倍ほどに拡大し、公共性の高いメーン通りに設ける。
新しい東急東横店のコンセプトは「まざり合うから楽しい」。東館で62年営業していた「東横のれん街」は渋谷マークシティ地下1階に移転し、「東急フードショー」と通路を挟んでつながる。西館1階・2階にはファッションや雑貨・コスメなどが並ぶ自主編集フロア「SHIBUYAスクランブル」を開設。ストアコンセプトを象徴するフロアとして、女性向けに「トレンド情報」を発信する1階「SHIBUYAスクランブルI」には、600平方メートルの売り場に約32のブランドが出店する。
クラシック&モダンをコンセプトに「最旬の」コーディネートを提案するセレクトショップ「B’2nd-requa-」、米ナチュラル・ボディーケアプロダクト「Soaptopia」、米カジュアルブランド「フリーピープル」(期間限定店)などが国内初の店舗を出店。コスメでは、メーキャップアーティストやカラースタイリストが常駐し、メーキャップサービスやレッスンなどを体験できる世界3店舗目となる「ディオール バックステージ ストゥーディオ」、メーキャップに特化したシャネルのポップアップストアなどが並ぶ。
2階「SHIBUYAスクランプルII」ではファッション雑貨を扱う。ファッション小物のほか、インナーやステーショナリー、モバイルコスメ、プチスイーツなど、出張や旅行にも便利な「バッグイン・パーツ」を提案。
8階家庭用品コーナー「アーバンホームショー」には、レシピサイト「クックパッド」とコラボしたデモストレーションスペース「SHIBUYA KITCHEN STATION」を併設。「おすすめ」の調理器具を使い、同サイトのレシピを実演。オープニングイベントとして、日本料理「賛否両論」(恵比寿2)の笠原将弘シェフによるクッキングトークショーを開く(6日14時~)。
南館3階の文房具・事務用品店「銀座伊東屋」、西館9階のレストラン街「ダイニング・ダイニング」は継続展開。4階の紳士用品雑貨・旅行用品売り場、6階・7階の婦人ファッションフロアなど一部フロアはすでにリニューアルオープンしている。
4つの自主編集売り場を立ち上げ独自性を追求するほか、計15カ所の期間限定売り場を各フロアに配置し「日本初」「渋谷初」など新たなブランド・ショップの提案を図る。東急グループは「日本一訪れたい街」を目指し、渋谷の再開発を進めている。「従来のお客さまを大切にしながら新しい1階、食の地下1階など、わざわざ来ていただく動機付けを発信していきながらやっていきたい」と神谷潔店長は話す。
営業時間は10時~21時。