地下5階の新しい東急東横線渋谷駅で3月16日、相互直通運転の発車式が行われた。
記者の質問に答える鉄道5社の社長(左から2人目が東急電鉄・野本弘文社長)
式には東急電鉄・野本弘文社長、東京メトロ・奥義光社長、横浜高速鉄道・池田輝政社長、西武鉄道・若林久社長、東武鉄道・根津嘉澄社長、東急電鉄・廣田博美渋谷駅統括駅長が出席。鉄道ファンとして知られる向谷実さんが作曲した駅メロ「Departing from New Shibuya Terminal」が流れた後、テープカットを行い、5時発の始発列車、各駅停車元町・中華街行は4分ほど遅れて同駅を出発した。
今回の相互直通運転開始に関して、「より近い横浜がイメージできると思っている。横浜に来ていただけるように、地元と一緒になって観光・街のにぎわいにしていきたい」と池田社長。若林社長は「利便性と速達性が向上し、お客さまの利用性もさらに高まる。通勤通学の範囲の拡大、旅行やショッピング、観光など、そういった展開の方も多くなるだろう。大きな商機と捉えている」と期待を寄せる。
根津社長は終着駅でもある森林公園などを例に挙げ、「東武東上線沿線はハイキングの宝庫」とアピール。「自然を味わっていただければ」と呼び掛けた。奥社長は「相互直通運転先を入れると536キロが(当社の)営業圏内だと思っている。魅力ある街・地域を、鉄道を使って楽しんでいただければ。沿線全てをいろいろなかたちでご案内して、一緒に楽しみ方を探していければ」とも。
野本社長は「5社の路線が結ばれることは今までにないこと。それほど鉄道会社の垣根が無くなり、それぞれの良さを提案する、情報の提供をすることで人の動く回数がより増えてくる――このことに尽きるのでは。それが結果的に経済の安定・発展につながるのでは」と話す。
今回、5社6路線が相互直通運転することで、埼玉県西部から渋谷を経由して、横浜方面まで最長距離88.6キロ(元町・中華街~森林公園)が乗り換えなしでつながった。