東京メトロ副都心線との相互直通運転開始に伴い3月15日深夜に営業を終了した東急東横線渋谷駅で16日1時35分、同駅毛内定夫駅長があいさつした。
0時56分の回送列車が同駅を出車し、駅から車両の姿が消えた同駅。ホーム上では駅係員らの案内で、「見送り」に来ていた人たちは改札の外へ移動。改札外から毛内駅長の姿を見守った。
毛内駅長は開口一番「本日はこんな遅くまで東急東線渋谷駅を愛してくれるお客さま、本当にありがとうございました」とあいさつ。「この駅舎ができたのは東京オリンピック前の昭和38年。この特徴ある屋根、そして横から見てもすぐわかる東急東横線」とし、「まだ東横線が終わったわけではない。地上駅は営業を終了したが、あと数時間後には副都心線と相直を開始し、新しい渋谷駅になる。間もなく始まる渋谷駅・東急東横線を引き続きご愛顧いただけますよう、お願いいたします」と述べた。
最後に「本日はこんな夜中までお付き合いいただきありがとうございました」と締めくくり、敬礼。集まった人たちからは拍手が沸き起こり、「ありがとう」「寂しいぞ」という声や「渋谷」コールも聞かれた。駅員の中には涙を流す人の姿も見られた。
集まった人たちを屋外に誘導した後、同駅正面口のシャッターが下ろされた。
最後まで見届けた菊名在住の本間隆行さん(40)は「小さいころから(東横線を)使っていて、渋谷に来ていたので、やっぱり寂しい。同じような駅はあまりないので…」とし、相互直通運転に関しては、「東武・西武がつながったのはいい。個人的には池袋に行くのに便利」と話す。自宅へは相互直通運転開始となる始発列車に乗って帰る予定だという。