東急東横線渋谷駅の営業終了を受けて、3月15日最終電車後の下り回送列車通過後、渋谷駅~代官山駅間の地下切替工事が始まった。
渋谷駅~代官山駅間の約1.4キロ区間を地下化し、地下5階の新しい渋谷駅で東京メトロ副都心線をと相互直通運転を行う。
工事は15日最終列車から16日始発までの3時間半で行う。工事区間は渋谷一号踏切から代官山駅ホームの273メートルで、同社のほか協力会社を含め総勢約1200人が動員される。工事方法は同社と東急建設が独自開発した「STRUM(ストラム)工法」を採用。同工法は「用地確保が困難である」「短時間で鉄道の地下化を行う」「在来線の運行を妨げない」などの利点を持ち、既に東急目黒線不動前駅付近立体交差事業や、みなとみらい線東白楽駅から横浜駅間の地下化工事などで実績がある。現場となる代官山駅付近は沿線に住宅や建物が密集し用地確保が難しいため、同工法を用いて仮線を設けず地上の営業線(東横線)の直下に地下線を準備し、短時間で地上線を地下線へ切り替える。
工事工程は、渋谷第一号踏切付近から工事桁を下げる「降下区間」、今まで使用していたレールや電車線の切断やホームを撤去する「撤去区間」、ジャッキを用いて工事桁を持ち上げる「扛上区間」、「撤去区間」、「降下区間」、地下線とレール高さを合わせる「降下区間」の計6ブロックが同時並行で作業を進める。工事に先立ち、代官山駅付近の道路は同日20時30分から翌朝7時まで通行止めされている。
16日午前1時、定刻よりも5分遅れて最終の下り回送電車が代官山駅を通過した後、工事作業員が一斉に線路内に入り込み、地下化切替工事が始まった。今後、始発までの3時間半の限られた時間内で作業が進められていく。