西武渋谷店（渋谷区宇田川町）A館7階特設会場で3月12日、デザインオフィスnendo（目黒区下目黒2）の作品展「PLAYFUL SHADOWZ Exhibition by nendo」が始まった。

アートディレクションを担当した新家具ブランドのコレクション

　デザイナー佐藤オオキさん率いる同オフィス。「小さな“！”を感じてもらうこと」をコンセプトに、東京・ミラノ・シンガポールを拠点に活動。建築・インテリア・プロダクトデザインなど幅広く手掛け、作品は米ニューヨーク近代美術館、仏ポンピドゥー・センターなどに収蔵されている。同社は2007年にNewsweek誌「世界が注目する日本の中小企業100社」に、佐藤さん自身は2006年に同誌「世界が尊敬する日本人100人」に、それぞれ選ばれるなどしている。

　「色彩情報を一切取り除くことで、逆に見えてくるものがある。この感覚世界を通してnendoの作品を体感してもらうことを考えた」と佐藤さん。同展では黒を基調にした作品を紹介。国内未発表のものを中心に約50点を並べる。

　作品は、2011年にロンドンのサーチギャラリーで開いた個展で発表したシリーズで、チェアやコートハンガー、花瓶などを輪郭だけで表現した「thin black lies」、農作物を風害や獣害から守ることを目的に使われる「農業用ネット」を熱成形したオブジェのコレクション「farming-net lamp」（2012年）、アートディレクションを担当したシンガポール発の新家具ブランド「K%」（昨年のミラノサローネで発表）のパーテーションや本棚など。

　開催時間は10時～21時（日曜・祝日は20時まで、最終日は17時まで）。入場料は500円。今月24日まで。ショーウインドーなど館内各所では、若手ファッションデザイナーとコラボし、黒いマネキンとともに黒い家具を「黒子」として展示している。