渋谷「Bunkamuraザ・ミュージアム」(渋谷区道玄坂2)で現在、「白隠展 HAKUIN 禅画に込めたメッセージ」が開催されている。
「臨済宗中興の祖」と称された江戸時代中期の禅僧・白隠慧鶴(はくいんえかく)。作品の題材は釈迦(しゃか)やだるま、菩薩(ぼさつ)などの仏教的なものや七福神など庶民信仰に基づくもの、サルやネズミなどを擬人化したものなど多岐にわたる。同展では40数カ所の所蔵者から大作を中心にセレクトした約100点を紹介する。
展示するのは、80歳を超えてからの最晩年の作品で、禅宗の開祖であるといわれている達磨(だるま)大師を描いた縦2メートルの「半身達磨(通称:朱達磨)」をはじめ、右幅に、白隠が化身として描いていた布袋がきせるを手に煙を吐き出す姿を、左幅に煙の中から現れる「お福」を描いた双幅「布袋吹於福」、中央に閻魔(えんま)大王を、周りにさまざまな地獄の責め苦の場面を描いている作品で、所蔵先の清梵寺(静岡県沼津市)以外で公開されるのは初めてとなる「地獄極楽変相図」、100種類の書体で「寿」の字を描いた「百寿福禄寿(ふくろくじゅ)」など。
開館時間は10時~19時(金曜・土曜は21時まで)。入館料は、一般=1,400円、大学・高校生=1,000円、中学・小学生=700円ほか。2月24日まで。