神南・ファイヤー通りの賃貸ビル(渋谷区神南1)で現在、「KAGUTEN/建築家の創作家具展 渋谷展」が開催されている。
建築家の相坂研介さん、鈴木丈晴さんが中心となり開いている同展。建築家にとって「持ち運びのできる設計実例」であると共に、一般的にも身近である家具をツールに、一般消費者との接点を増やす機会の創出を目指す。開催場所の同ビルは1月中旬~下旬に解体を控えているためテナントは全て撤退。その空きテナントを活用したもので、解体開始までの「シャッター通りの印象を拭う効果を与える」意図もあるという。相坂さんが、建て直す新しい建物の設計を担当することもあり、同所での実施に至った。隣では同じく空きスペースを活用した、ナイキのポップアップストアが営業している(12月24日まで)。
今回は30代を中心とした若手建築家10組が参加し、約20点の家具を展示している。作品は、相坂さん=座椅子4つに分解できるソファ「BLOCKS」、鈴木さん=市販のベニヤとL型金物で「簡単に」組み立てることができる寝椅子「DIY CHAIR」、羽藤広輔さん=連結でき配置が変えられるスツール「GREEN SPIRAL」ほか。
「住宅だったりするとどうしても実物を見ていただく機会が少なく、建築家が何を考え、何をしているのかまだまだ理解していただけていない。建築家と一般消費者の距離を縮め、もっと身近に感じていただきたい」と相坂さん。「住宅も家具も原点は同じで、いかに居心地良く過ごせるか。建築家も十人十色で、機能性重視・芸術性重視などさまざまだが、いろいろな建築家を見比べることができる機会はあまりない。この機会に、いろいろな人がいて、どういう思いで設計しているかを伝えられれば」
相坂さんは今後も空き家やテナント募集中の空きスペースなどを活用した活動を続けていく予定で、「KAGUTEN」も場所や出品者を変えて継続していく。
開催時間は10時~17時。入場無料。土曜・日曜・最終日のみ開場し、平日はショーウインドー展示。12月26日まで。