渋谷クロスタワー(渋谷区渋谷2)に10月1日、公共職業安定所「東京わかものハローワーク(愛称「わかハロ」)」(TEL 03-3409-0328)がオープンする。運営は厚生労働省東京労働局(千代田区)。
同省が7月に発表した労働力調査によると、国内の就業率は56.6%と前年同月に比べ0.1ポイントの上昇しているものの、就業者数は前年の同月に比べ9万人減の6277万人で、8カ月連続で減少。主な産業別就業者は前年同月と比べ、卸売業・小売業、農業・林業などが減少し、医療・祉などが増加している。完全失業者は前年同月に比べ24万人減の288万人と、26カ月連続で減少しているものの、完全失業率(季節調整値)は4.3%と前月と同率。15歳~34歳の若年層に関しては、15歳~24歳=前年同月に比べ0.2ポイントの上昇の8.3%、25歳~34歳=前年同月に比べ0.8ポイント低下の5.4%となっている。
そうした中、わかハロは、同省が6月に発表した「若者雇用戦略」の一環で開設。渋谷エリアでは「ハローワーク渋谷」(神南1)、子育てをする女性などを対象にした「マザーズハローワーク東京」(渋谷1)に次ぐ3拠点目。わかハロは、おおむね35歳未満の正規雇用希望者が対象。渋谷は「若者の街」と呼ばれていることもあるが、ハローワーク渋谷へ訪れる人のうち3割が35歳未満と若年層が多いことなどから渋谷への開を決めた。スタッフはキャリアコンサルタントなどの資格保有者23人を置く。
フロア面積は約480平方メートル。「入りやすいように」と、明るく開放感のある空間に仕上げた。フロア内には、スタッフが常駐する窓口「職業相談コーナー」(13ブース)を用意。支援メニューの説明、職業相談や紹介、応募書類の添削アドバイスなどを行う。同所の一角には「新卒応援コーナー」も設け、大学や短大などを卒業予定者の相談を受け付ける。
PCを用意したスペースでは、適性判断を行えるコーナー(4台)や履歴書や職務経歴書を作成できるコーナー(4台)、全国のハローワーク約60万件(1都4県は約12万件)の求人情報から検索することができるコーナー(22台)、企業情報や希望業界の動向などを検索することができるコーナー(6台)を展開。書類等は印刷することができ、それを基に窓口でアドバイスを行う。中でも、適職診断や書類作成のコーナーを常設するのは「方向性が定まっていな人が多い」若者向けの同所である特徴の一つ。
フロア奥には、書類制作の面接対策など就職活動の基礎的なセミナー(予約制)を週に1回開く「セミナールーム」(18席)や、企業の人事担当との直接面接(予約制)、個別の就職支援(予約制)などを行う「個別相談ブース」(2部屋)も配置。11月からは週1回、臨床心理士を招きカウンセリングを受けることができるようにする(予約制)ほか、同年代で同じ悩みを持つ者同士の相互交流グループ「ジョブクラブ」も予定する。
従来のハローワークには「中高年が多い」イメージや「行きにくい」などの声もあり、「若者が来やすい場所を作る必要があった」と雇用指導官の湯地幹彦さん。特に「就職氷河期にフリーターになった30代の対策が必要」と考えているという。
「就職活動に苦労している方に『わかハロ』を居場所として一息ついていただき、あらためて就職活動に取り組んで巣立っていっていただければ」と話す。想定利用者数は1日100人。
利用時間は10時~18時。土曜・日曜・祝日は定休。同省は4月から各地のハローワークに若者支援窓口を設置。10月1日には、大阪・阿倍野、愛知・名古屋にも「わかものハローワーク」を開設する。