渋谷東口のギャラリー「NANZUKA(ナンヅカ)」(渋谷区渋谷2、TEL 03-3400-0075)で現在、アーティスト田名網敬一さんの新作個展が開催されている。
1936(昭和11)年東京生まれの田名網さん。武蔵野美術大学卒業後、1960年代初めからグラフィックデザイナー・イラストレーター・アーティストとして活動。同年代後半にはアンディ・ウォホールとの出会いに触発され、現在に至るまで「アートとデザイン」「アートと商品」「日常と美の関係」などの問題に対して実験的な挑戦を続けている。
同展では、新作のアニメーションとこれまでに制作したドローイングを紹介。田名網さんは1965(昭和40)年に開催された「草月アニメーションフェスティバル65'」に初のカラーアニメーション作品「仮面のマリオネットたち」を発表して以来、50本以上のアニメーションや実験絵画を製作している。
新作のデジタルアニメーション「Red Colored Bridge」は、「この世とあの世を渡すクロスポイントとしての橋」についての考察を表現した作品。近年の田名網さんの「イマジネーションの原動力になっている」赤い橋のほか、幼少期に経験した戦争をモチーフにした「奇怪な生き物」や「骸骨姿のモンスター」、44歳の時に胸膜炎を患った時に見た幻覚に由来する松などが登場する。
田名網さんが「食べることと同じことかもしれない」と話すほど、日常的に手掛けているドローイングは、1980年代から現在に至るまでに制作した作品の中から188点を展示。アニメーションの絵コンテや実験的な線画、近年のペインティングに登場するキャラクターの原画などが並ぶ。
開催時間は11時~19時。月曜・祝日定休。入場無料。8月5日まで。