PC向けオンラインゲームを運営する「エヌ・シー・ジャパン」(渋谷区恵比寿1)は5月23日、各地の同社公認ネットカフェを自転車で回り自社ゲームをPRする旅企画「特派員コーチャンが行く『ツール ド ネットカフェ2012』」をスタートした。
今年7月に3周年を迎える同社のMMORPG(多人数型ロールプレーイングゲーム)「The Tower of AION(タワー オブ アイオン)」を中心としたゲームの認知向上を図る同企画。同ゲームは、髪型や体格、輪郭などを約5億通りの組み合わせから自身のキャラクターを作り、他プレーヤーと冒険・戦闘できる。4月末現在までの累計プレー者数は約60万人。利用者は20代後半~30代前半が中心で、男女比は7対3程度。
同社は東日本大震災後、応援サイト「PLAY FOR JAPAN」を立ち上げたほか、ゲームを通じた収益や社員から集めた義援金を含め6億3,000万円近くを寄付するなどの支援活動を実施。今回その一環として、自転車での走行距離1キロごとに300円を義援金として寄付するという。
今回自転車で旅をするコーチャンこと國府田正司さんは、同社チャンネルビジネスデパートメント・ネットカフェチームで営業を担当。自転車には趣味で4年ほど前から乗っており、チームに所属して大会にも出場するなどしている。今回使う自転車は日頃から國府田さん自身が乗っているもので、ウェブカメラを搭載するほか、「PLAY FOR JAPAN」の文字を書いたのぼりを掲げる。同社デザイナーが今回のためにデザンしたユニホームは、赤をイメージカラーに、背面には車輪と日本地図を描いた。
國府田さんが来店中にそのネットカフェに訪れた客には同ゲームに関するプレゼントを進呈。ネットカフェでは國府田さん自身も同ゲームをプレーし、キャラクターをレベル1から60までに育成することを目指す。その様子は同企画特設サイトでユーストリーム中継する予定。約8カ月間で150店舗を回る予定で、47都道府県訪問を目指す。目標走行距離は3000キロ。道中の状況などはフェイスブックやツイッターなどで公開する。同活動は仕事の兼ね合いもあり隔週実施。労働基準法にのっとった時間内での走行となる。
初日となる同23日には、オフィス近くの公園で見送り会が開かれた。國府田さんは「月曜は金環日食、火曜はスカイツリー、今日はこの企画。歴史に名を刻みたい」と話し、「(ネットカフェで出会った人が)ゲームに目覚めてくれれば。皆を巻き込んでいきたい」と意欲を見せた。同社社員約50人に見送られる中、1店舗目となる「キャノンボール 大森店」(大田区)を目指しスタートを切った。
同社PRチーム部長の金子晃利さんは「インドアのオンラインゲームを、体を使ったアウトドアでのアプローチをするのは、ネガティブなイメージを持つ方にそうではないと伝えたいから。(ゲームをする人には)スポーツもやることでより健康的に、充実したかたちで楽しんでいただけるのでは」とし、「ネットカフェにはいろいろなお客さまがいてコミュニティーがある。つながる場所でもあるということを(國府田さんに)体現してもらえれば」と話す。
國府田さんは今後南下し、6月9日・10日には同社が熊本県で開催するイベントに自転車で乗り付け、7月~8月ごろには岩手や宮城、茨城など東日本大震災の被災地を回る予定。同所までの走行距離から換算した金額を義援金として各県庁に届けるという。東京には12月末に戻る予定。