12年ぶりに「渋谷・表参道」を特集した月刊誌「散歩の達人 5月号」(交通新聞社)が4月21日、発売される。同誌が「渋谷」をテーマに特集企画を組むのは2回目。
特集は、今月26日に開業を控えた「渋谷ヒカリエ」(渋谷区渋谷2)がきっかけ。18日に神宮前交差点角にオープンした「東急プラザ表参道原宿」(神宮前4)も含め、再開発が進む同エリアに着目したという。同誌編集長の山口昌彦さんは「(当誌は)1970~1980年代、渋谷で遊んでいた読者が多く、渋谷の街の成長を感じてほしいと思った。10代、20代では分からなかった渋谷の魅力が今、やっと分かることも多いかも」と話す。
副題は「なつかしい、渋い、そして新しい」。「東急文化会館」と「渋谷ヒカリエ」、「原宿セントラルアパート」と「東急プラザ表参道原宿」など、かつて若者文化をけん引してきた文化発信拠点の歴史をひもとくと共に、生まれ変わった新しいランドマークの最新情報を取り上げる。「東急文化会館とセントラルアパートにオマージュをささげておきたかった」と、街の礎を築いた古きスポットにも敬意を払う。
さらに、国道246号線を超えた桜丘町付近を「南渋谷」と新たに命名し注目するほか、「円山町ものがたり」「渋谷古本ぶらぶら街道をゆく」「シブヤ音楽の醍醐味(だいごみ)はライブにあり」「のんべい横丁の真骨頂は渋酒場にあり」「渋谷のカフェでヤギを飼うって?」など、新旧の渋谷の魅力を深く掘り下げた記事も掲載。懐かしいものと新しいものが混在する今日の渋谷を、山口さんは「ミルフィーユみたいに多層的になって、いい厚みを出している」と表現する。
「個性的な渋谷特集になった。ちょっと渋すぎたかと思う反面、あまり知られていない渋谷のいろいろな表情や物語を紹介できていると思う。若い若いといわれ続けた渋谷だが、年を取って新たに発見することもある。あらためて長く付き合っていきたい街だと感じた」と、今後の渋谷に期待を寄せる。
価格は580円。折り込み散歩マップ付き。