東京都は3月30日、みやしたこうえん近くの都営住宅「宮下町アパート」跡地(渋谷区渋谷1)の事業予定者を、東急電鉄(南平台町)を中心とする企業グループ「渋谷Creator’s Platform」に決定したと発表した。
老朽化などで移転・更新などが決まった複数の都有施設を有効活用し、民間のノウハウや資金力も活用しながら周辺開発の誘発を促す「都市再生ステップアップ・プロジェクト」。渋谷周辺の都有地では、みやしたこうえん近くの宮下町アパート跡地と、三竹公園に隣接する東京都児童会館(3月31日閉館)、青山病院跡地の3カ所が実施地区となっている。
都では、ファッションをはじめする「クリエーティブ産業の中心」である渋谷・原宿・青山一帯に文化やファッション産業などの拠点を形成し同エリアを結ぶ人の流れを創出。渋谷駅周辺の再開発が進むこの時期に都有地を活用することで、地区全体の魅力向上を目指す。
渋谷地区第1弾となる今回。同事業への参加を希望する民間企業グループを公募し、応募のあった3グループから選ばれた。敷地面積は約5020平方メートル。建設予定の建物は地下2階・地上18階建て(高さ約67.2メートル)で、延べ床面積は約3万6170平方メートル。
太陽光発電などを採用し環境に配慮。キャットストリートに間口の広い広場を配置するほか、24時間通行可能な屋内外への通り抜け通路を設ける予定。「渋谷の新しいクリエーティブ発信」をコンセプトに打ち出し、クリエーターのビジネスマッチングのためにファシリテーターの常駐なども提案。賃貸住宅115戸のうち3分の1強の41戸をクリエーター向けに貸し出すのが特徴。
2013年度に定期借地権設定契約締結、建設工事の着工、2015年度完成予定。借地料は月額2,276万6,550円。事業期間は70年間。事業にあたり代表企業となる東急電鉄が特定目的会社に51%を出資するという。