渋谷や原宿の商業施設やセレクトショップを中心に開催される「SHIBUYA FASHION FESTIVAL vo.01」の一環で、ハチ公像に着せる洋服のデザインが決定した。渋谷パルコ（渋谷区宇田川町）で3月15日に開かれた同フェスの記者会見で発表された。

桜の花に見立てたピンクと白のリボンをあしらったハチ公着用ドレスの背面デッサン

　ファッションイベント「東京発 日本ファッション・ウィーク」のメーン企画で、都内各所でファッションショーや展示会を開催する「東京コレクションウィーク」に合わせ展開する同フェス。ベイクルーズグループ、アッシュ・ペー・フランス、ユナイテッド・アローズグループ、ビームス、パルコ、東急百貨店本店・東横店、トゥモローランド、シップスなど渋谷・原宿のショップ約250店が参加し、店内パーティーやノベルティの配布などを行う。

　17日～23日の期間中、ハチ公像も「ドレスアップ」。昨年は、ファッションブランド「MIKIO SAKABE」のデザイナー坂部三樹郎さんが手掛けた、胸元にリボンをあしらったピンク色のシャツを着用。今年はピンク色のちょうネクタイを着ける予定だが、最終日の23日のみ、ファッションやデザインを専攻中の学生から公募したデザインから選んだ洋服を着せる。

　今回約400通の応募があり、東京コレクションデザイナー6人と同フェス実行委員会が選考を行い、文化服装学院の吉田絵美さんのデザインが大賞に選ばれた。同フェスが春を前に開かれることから、桜の花に見立てた大小さまざまな大きさのピンクと白のリボンを全体にあしらったドレスで、「華やかでにぎやか、わくわくする雰囲気」を演出した。

　わずか1日でデザインを仕上げたという吉田さんは「ハチ公に、自分がデザインした服を着てもらう機会はなかなかないのでうれしい」とし、苦労した点について、「もともと銅像なので、コスプレにならないようにした」と振り返った。

　23日にはほかにも、代々木公園ケヤキ並木通りでCANDYやビームスなどによる合同ファッションショー、ラフォーレ原宿で韓国3ブランドと原宿のスナップモデルによるファッションショー、タワーレコード渋谷店壁面を使ったプロジェクトマッピング、アーティスト40人による渋谷パルコ外壁へのライブペインティング、でんぱ組.incのゲリラショー、渋谷∞ホールでのお笑いイベントなどのほか、参加店が23時まで営業時間を延長する「ナイトアウト」も予定する。

　会見には俳優の大東駿介さん、お笑いコンビのノンスタイル、AneCan専属モデルの葛岡碧さん、双子のタレントの広海さん・深海さんのほか、東京コレクションに出演するモデルらが参加。洋服が好きで普段の買い物の9割ほどが渋谷・原宿エリアだという大東さんは、同エリアについて「ファッションを楽しんでいる方が多いので、街を歩いているだけで勉強になる。いろいろなテイストの店が密集しているので絶対に何かが見つかる」と話した。

　葛岡さんは「今年の春はシャーベットカラーがトレンド。（渋谷は）おしゃれにあふれている街なのでトレンドが分かる」とし、広海・深海の広海さんは「ショップのスタッフさんがファッション・リーダーだったり、独自の文化があったりするので、それをもうちょっと発信していけたら」とも。

　「よしもとダサい芸人ランキング」1位に選ばれているノンスタイル井上祐介さんは「ダサい俺がイベントを通じておしゃれになっていくサクセスストーリー」と会場の笑いを誘い、「普段あまり買い物に行かないので、この機会に歩いてみてファッションを学びたい」と話した。「そろそろ春を迎えたいので、どしどし逆ナンお待ちしてます」とも。

　渋谷ファッションフェスティバルの開催期間は3月17日～23日。10万人の動員を見込む。