タワーレコード渋谷店(渋谷区神南1)地下1階イベントスペース「STAGE ONE」で3月12日、「アースデイ東京2012」開催に向けた記者発表会が行われ、実行委員長のC.W.ニコルさん、歌手の加藤登紀子さんが参加した。
シェフとして「フォレストキッチン」に立つC.W.ニコルさん(昨年の様子)
1970年にアメリカ西海岸でスタートした「アースデイ」は、地球温暖化などの環境問題に対する関心を呼び掛ける環境イベントで、現在175カ国で開かれている。日本では1990年に代々木公園を中心に大規模なイベントを初開催。アースデイ東京としては2001年から実施している。昨年は東日本大震災を受け「ふんばれ日本 かわらなきゃ未来」をコンセプトに展開し、2日間で計10万人が来場した。
今年のコンセプトは「another world is possible, 新しい未来は自分たちの手で」。例年同様、代々木公園野外ステージで開催する「アースデイ・コンサート」や使用済みの天ぷら油の回収、「旬の食材」「地産地消」「GMOフリー」をキーワードにした料理を提供する飲食エリア「アースデイキッチン」、渋谷や原宿を回る「アースデイパレード」、有機農家による直売市場、トークプログラム、ワークショップなどを展開。アースデイ東京は東日本大震災後、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」を発足するなど支援活動を行っており、今回、会場に福島の子どもたちを招く保養ツアーも実施する。
「アースデイキッチン」には、国産小麦・天然酵母などを使った手作りパン店「ルヴァン」(富ヶ谷2)、ワインダイニング「TAMA」(渋谷2)、製菓・カフェなどの専門学校ビジョナリーアーツ(桜丘町)の学生による「森のガクショク」、オーガニック・エコロジーをコンセプトにした「キミドリ.」(渋谷3)、代官山の「MR.FRIENDLY Cafe」(恵比寿2)、音楽プロデューサー小林武史さんが社長を務めるKURKKU運営の「KURKKU BURGER」(神宮前2)など22店が出店。「フォレストキッチン」では、「キノコとシカ肉のキーマカレー」(700円)や「無添加あらびきソーセージ」(300円)、「シカ肉のミニステーキ」(500円)など、C.Wニコルさん監修によるシカ肉を使ったメニューを提供する。
ステージでは、使用済み天ぷら油をリサイクルしたバイオディーゼル燃料で音響・照明の電力を賄うコンサートを開く。加藤さんやEGO-WRAPPIN'、シンガー・ソング・ライター東田トモヒロさん、Leyonaさん、ドラマー沼澤尚さんによるユニットTRI ARTIST SESSION、FRYING DUTCHMANなどが出演する。ソーシャル・ネットワークを中心に集まったマイケル・ジャクソンのファンによる組織「アースデイwithマイケル」のパフォーマンスも予定。
毎年アースデイの日はスケジュールを空けているという加藤さん。「昨年の3.11以降、どうしたら一番つらい気持ちの人たちの心にちゃんと歌を届かせることができるか、元気になってもらえるような歌を歌いたいと強い気持ちを持った。アースデイ東京には、未来を探している人たちがたくさん来ると思うので、その落ち込んでいる気持ちから、前に向いて行ける気持ちまで燃え上げられるようなコンサートをしたい」と意欲を見せ、昨年9月に発売したアルバムに収録されている「命結-ぬちゆい」を披露した。
当日は昨年に引き続き、シェフとして「フォレストキッチン」に立つニコルさん。「北海道から西表島まで旅をして、いろいろな日本の顔を見てきた。日本の自然はすごい。日本の文化は多様性豊かな文化。日本列島の多様性を、いろいろな意味の可能性にしてほしい。日本の森林面積は67%。自然を大事にして、傷口を健康的な所から手当てをしていけば、被害の大きかった福島も何世代で美しい園になると信じている」と話した。
「本当の環境はわれわれの周り。何でも環境。『another world is possible』は人間ができる。私は日本に住んで50年。国籍も日本だから残っている時間はすてきな日本、世界のために一生懸命やるつもり」と意欲を見せた。
アースデイ東京2012は4月21日・22日に開催。