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ワタリウム美術館で重森三玲「北斗七星の庭展」-庭を再現、映像も

一部を原寸大で再現している東福寺万丈庭園「北斗七星の庭」(1939年)

一部を原寸大で再現している東福寺万丈庭園「北斗七星の庭」(1939年)

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 ワタリウム美術館(渋谷区神宮前3、TEL 03-3402-3001)で現在、庭園家で作庭家、庭園史研究家・重森三玲の「北斗七星の庭展」が開催されている。

同展のために撮り下ろした20庭のハイビジョン映像も上映している

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 1896(明治29)年岡山県生まれの重森三玲。10代のころから茶道や華道に親しんだ重森が本格的な作庭に取り組んだのは40代に入ってから。1934(昭和9)年に発生した室戸台風で甚大な被害を受けた近畿地方の古庭園を目の当たりにし、1936(昭和11)年から庭園の復元と現状把握のため、約2年半かけて全国400庭に出向き実測。図面を描き、写真を撮り「日本庭園史図鑑」(全26冊)にまとめた。1939(昭和14)年の東福寺万丈庭園(京都市東山区)をはじめ、生涯に200あまりの庭をデザイン。1975(昭和50)年、79歳で死去した。

 重森の手掛けた庭をさまざまな角度から検証する同展。会場には「北斗七星の庭」、「小市松の庭」(いずれも1939年)の一部を原寸大で再現して展示するほか、「日本庭園史図鑑」の実測図面の一部、彫刻家などとして活動したイサムウ・ノグチと「石を求めて歩いた」四国各地の映像などを展示。東京美術学校で日本画を学んでいたころの墨絵などを初めて公開するほか、市松模様の天袋、自身のコラージュによる地袋、家紋をデザインした引き手、茶室の照明、花入れ、絵皿なども紹介する。座席を用意した4階では、「東福寺本坊庭園」「岸和田城庭園」「四天王寺学園庭園」「重森家生家庭園」「漢陽寺庭園」など同展のために撮り下ろした20庭のハイビジョン映像を上映している。

 期間中はトークイベントを開催。1月20日には「庭とは何か?」(講師=建築家・建築史家の藤森照信さん)、同26日には「重森三玲の生涯」(同=重森庭園設計研究室代表の重森千青さん)、3月23日には「枯山水」(同=編集工学研究所所長、ISIS編集学校長の松岡正剛さん)を開催する。いずれも18時~20時。参加費は1,500円。メールやファクスで応募を受け付けている。

 毎日17時からは、場内に設置された白砂の庭で、竹ぼうきを使って砂紋を作るワークショップを開催。毎週土曜15時~15時30分には、茶箱で一服たてる「北斗七星の茶会」(とらや「季節の生菓子」、土産付き、1,200円)を行っている。

 開館時間は11時~19時(水曜は21時まで)。月曜休館。入館料(会期中何度も入場可能なパスポート制チケット)は、大人=1,000円、学生(25歳以下)=800円ほか。3月25日まで。

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