渋谷・宮益坂近くに「ドイツゲームスペース@Shibuya」(渋谷区渋谷1、TEL 03-3797-4224)がオープンして2カ月がたった。運営は若手クリエーターやアーティストと企業のマッチングを行う「ことり」(同)。
カードの絵から推測されるコマをいち早く取りポイントを重ねていく「おばけキャッチ」
その多くがドイツ発祥の作品であることからそう呼ばれる「ドイツゲーム」は、ボードゲームをはじめ、カードゲームやダイスゲームなどアナログゲーム全般を指す。東日本大震災以降は「テーブルを囲んだ人との対面」「絆の再確認」に着目される反面、「どのゲームが面白いか分からない」「ルールが難しい」などの理由から欧米諸国ほど浸透していないという。
そうしたイメージを払しょくしたいと開かれた同スペース。面積は約7坪。おもちゃコンサルタント、おもちゃコーディネーターの資格を持つ児玉健さんがゲームマスターとして、来店客の年齢や性別、職種などからゲームを見立て、ルールの説明などを行いながら進行する。2・3年ほど前に親せきを通じて知り、魅力にはまった児玉さんは、以前勤めていた会社を昨年退社。その後資格を得て、「ドイツゲームを広めたい」とカフェや児童館などでイベントを開くなどしていたという。
同社入社後、マッチングの仕事をしている中、アーティストの中には「コミュニケーション能力が高くない人もいる」ことに気付き、「ドイツゲームがコミュニケーションツールとしても長(た)けている」ことから、児玉さんが社内提案を行いオープンにこぎ着けた。
同スペースで用意するゲームは100種以上。サイコロを振り、出た目に合わせて羊や猿など動物型の積み木をワニ型の積み木に重ねていく「ワニに乗る?」や、山札からめくられたカードの絵から推測されるコマをいち早く取りポイントを重ねていく「おばけキャッチ」など。ゲームは3人以上で行うものが多く、プレー時間も10分程度から1時間以上のものまで幅広く用意する。
オープンから2カ月。来店客は20~40代が中心で、男女比は6対4程度。初心者が64%という。児玉さんは「遊びとしてだけでなく、ドイツゲームをやっていると性格が出るので、採用や社内研修などにも取り入れてもらえるよう働きかけている」と話す。「ドイツゲームは最高のエンターテインメント。可能性を発信していくためには、自分もより多くの方と(ゲームを)やり続けなくては」とも。
営業時間は9時~24時。利用料は、1人2時間30分=2,000円、4時間=3,000円(延長は30分ごとに500円、ゲーム代・インストラクター代込み)。ドリンク・フード類の持ち込み自由。完全予約制(予約は基本4人以上)。レストランやオフィスへの出張も行うほか、1人、2人など少人数でも参加できるイベントなども開いている。