渋谷・円山町のミニシアター「ユーロスペース」(渋谷区円山町、TEL 03-3461-0212)で9月17日から、特集上映「Image.Fukushima vol.2」が開催される。
島県内外の映像関係者やライター、編集者、「福島について考えたい」という人たちが集まり実行委員会を結成。放射能汚染の「『見えない』脅威、情報の不確かさ、未来の不透明さ。そこから一歩を踏み出すために、知見とイメージを互いに交換し合うこと」を目的に8月、福島県で開催。2回目となる今回、プログラムを拡張し展開する。
ドキュメンタリー、劇映画含め全15作品に加え、イラン映画の巨匠アッバス・キアロスタミ監督が1990年のイラン大地震後を捉えた「そして人生はつづく」(1991年)を特別上映。作品は、「原発は大都市の方がよく似合う」という都知事の発言から繰り広げられる核パニックムービー「東京原発」(山川元監督、2004年)、社会の変化に翻弄(ほんろう)され衰退していくウェールズ地方の炭鉱の村を描く人間ドラマ「わが谷は緑なりき」(ジョン・フォード監督、1941年)、原発ジプシーの問題を浮き彫りにしたピンク映画「昭和群盗伝2月の砂漠(破廉恥舌戯テクニック)」(瀬々敬久監督、1990年)、「チェルノブイリを予見していた」といわれるソ連の巨匠アンドレイ・タルコフスキー監督のSF映画「ストーカー」(1979年)など。
ドキュメンタリー映画は、広島・長崎の原爆投下、原水爆実験の後に残された放射性物質=「死の灰」の影響を科学的に検証した「世界は恐怖する 死の灰の正体」(1957年)、広島・長崎の原爆の「爪痕」を記録した和文化賞受賞作「生きていてよかった」(1956年、共に亀井文夫監督)、東日本大震災発生1カ月後の被災地を追った「無常素描」(2011年、大宮浩一監督)、山口県上関町の原発計画を追った「ミツバチの羽音と地球の回転」(2010年、鎌仲ひとみ監督)など、バリエーション豊かにラインアップする。
連日、作品上映後にはトークイベントを行う。瀬々監督、大宮監督、鎌仲監督のほか、「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の吉野裕之さん、「『フクシマ論』原子力ムラはなぜ生まれたのか」著者・開沼博さん、作家・活動家で「14歳からの原発問題 14歳の世渡り術」著者・雨宮処凛さんらが登壇を予定。
「プロジェクトの趣旨は、イメージとイメージをつなげてゆくこと=モンタージュ。芸術・文化全般に関心のある方にご覧いただき、つながりをさらによその場所に、さまざまな方法で広げていってほしい」と実行委員会会長で映画批評・大学講師の三浦哲哉さん。
鑑賞料は当日一般1,400円(トーク付きの回は1,700円、トークのみは500円)ほか。今月23日まで。上映スケジュール、トークイベントの開催時間などはホームページで確認できる。