熊川哲也さん、Bunkamuraオーチャードホールの芸術監督に就任

会見に登壇した東急文化村・渡辺惇社長(左)とバレエダンサー熊川哲也さん(右)

会見に登壇した東急文化村・渡辺惇社長(左)とバレエダンサー熊川哲也さん(右)

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 バレエダンサー熊川哲也さんが渋谷「Bunkamuraオーチャードホール」(渋谷区道玄坂2)の芸術監督に就任し、6月30日、同劇場で発表記者会見を行った。

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 Bunkamuraを運営する東急文化村(松濤1)は、開業時から文化・芸術の各界で活躍する人々をプロデューサーに迎え、企画・運営を行うためのプロジェクト「プロデューサーズ・オフィス」を導入。第1期(1985年~1992年)は指揮者の岩城宏之さんやサウンド・パフォーマー冨田勲さんら4人を、第2期(1994年~1996年)は指揮者ジェラード・シュワルツさん、1999年~2007年には音楽評論家の黒田恭一さんを、それぞれプロデューサーに迎えてきた。

 今回選ばれた熊川さんは、同館10周年記念イベントの際「ボレロ」に出演したほか、自身が主宰するKバレエカンパニー(文京区)の公演をコンスタントに上演するなど、「最もオーチャードホールに愛着を持つアーティスト」の一人であることから就任を依頼。「世界を極めた熊川さんというブランドをいかに生かしていくか。その情熱や心意気をくみ取っていけたら」と東急文化村・渡辺惇社長。

 10歳でバレエを始めた熊川さんは、1987(昭和62)年に英ロイヤル・バレエ学校に入学し、翌年には日本人として初めて「マリインスキー劇場」にて踊った。1989年には「ローザンヌ国際バレエ・コンクール」で日本人初のゴールド・メダルを受賞、同年東洋人として初めて英国ロイヤル・バレエ団に入団し、同団史上最年少でソリストに昇格。1993年にはプリンシパルに任命された経歴を持つ。退団後、1999年にKバレエカンパニーを創立。芸術監督を務め、自身の演出・再振り付けによる「ジゼル」「白鳥の湖」などを主演・上演しているほか、振付作品には「ベートーベン 第九」「ソリチュード」などがある。

 「ダンサーがホームと思える劇場は一握りしかないと思っている」と話す熊川さんにとって、同劇場は自身の「ホーム」といい、「居心地がよく創造の源の場」であることから芸術監督を引き受けたという。任期は来年1月から5年間。

 会見で、渋谷について「ハイカルチャーとポップカルチャーが共存し刺激し合っている魅力的な街」とし、「渋谷から良質な古典芸術を発信していくことが、今後の日本の文化を根付かせることになると思う」と熊川さん。「現代・現在を生きる私たちの役目は偉大な先人たちが残してくれた素晴らしい作品を継承し、浸透させ、進化させていくこと。(出演者らが)ステータスになるような、ハイカルチャーを発信しているという誇りを感じていただける劇場にしていきたい」と意気込みを語った。

 芸術監督就任第1弾企画として、熊川さんが演出・振り付けを手掛け、Kバレエ カンパニー所属ダンサーが出演する「シンデレラ」を来年2月上旬に上演する予定。

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