アースデイ東京は3月14日、同11日に発生した東北地方太平洋沖地震についての記者会見をユーストリームで行った。4月に開催を控える「アースデイ東京2011」開催に向けた会見を行う予定だったが、大震災を受け内容を大幅に変更した。
1970年にアメリカ西海岸でスタートした「アースデイ」は、地球温暖化などの環境問題に対する関心を呼びかける環境イベント。東京では1990年から代々木公園を中心に大規模なイベントを開催。エコへの関心の広がりとともに年々規模を拡大してきた。
アースデイ東京理事で、アースデイ東京大震災支援アクション本部本部長の河内章男さんは「アースデイ東京大震災支援アクション本部を設置して、復興支援活動を継続的に行っていく」とし、義援金募集活動のほか、ネットワークや参加団体のつながりを通じて、義援金の受け入れ先になることなどを発表。
「アースデイ東京2011」実行委員長のC.W.ニコルさんは「今回の震災はあまりにも大きいから、僕の小さな脳は回らない。全てが破壊されて本当に悲しい」としながらも、「日本国籍をいただいて良かった。皆さん、すごくショックを受けて悲しみは大きいが、暴動も起こさず素晴らしい民族だと思う」とたたえた。「新しい日本はどうすれば良いか。ダメージ・けがを治すのは自然の力だから、私たちは健全な森、川、海岸を作り直さなければいけない。津波が来る海岸にどういう建物を作ればよいか、頭だけでなく心と文化を併せて話し合う時期が来たと深く思っている」とも。
来月開催予定のアースデイ東京2011について、「この地球は私たちの居場所。皆さんも一人でも多くの方がアースデイに参加して、自分たちの意見、暮らしていくのに必要な意見を持ってきて参加してほしい」と呼びかけた。
震災当日は東京にいたことから被災を免れたという「アースデイ仙台」顧問の風見正三さんは「今でも仲間が非常に厳しい状況にいる。食料・水(の確保)も厳しく、ライフラインが復旧していないところがほとんど。アースデイ東京が支援団体を立ち上げてくれてうれしい」とし、「現地では電源が確保できていなので、テレビも見られず客観的な情報が伝えにくい。緊急度のある地域がどこにあり、何が必要なのかをまとめて、的確に情報を伝えていくことが重要」と話す。今後「アースデイ東京と連携して、仙台・東北を再生していく大きな動ききになれば」と期待を寄せた。
会見には、アースデイ仙台・実行委員長の小嶋景太さん(宮城大学3年)が電話で参加。「地域ごとに違うが、津波の影響を受けている地域もあれば、見た目は変わらないがライフラインがなかったりする地域もある」とし、「電気は最近復旧してきているが、水が出ず、トイレなどで困っている。食料、乾電池、ガスボンベ、ガソリンなどが足りず、朝からスーパーに並んだり、水をどこで買えばいいか分からずにいる。とにかく並ばなくてはいけないということで、ストレスがたまってきているようだ」と現地の様子を伝えた。
さらに、未来バンク事業組合理事長の田中優さんが、福島第一原子力発電所の災害に関する現状を解説。「1号炉と3号炉が爆発したが最悪の事態はまだ起こっていない。燃料棒のジルコニウムというものと水が反応して爆発性の高い水素ができた。その水素が建物を吹き飛ばしただけで、核分裂反応によっての核爆発は起こっていない」とし、「最も怖いのはパニック。冷静にものを見てほしい」と呼びかけた。
併せて、もともと予定していた「上関原子力発電所」(山口県関町)に関する共同声明も発表した。
「アースデイ東京2011」は4月23日・24日、例年通り、代々木公園を会場に開催する。