六本木通り・青山トンネル入り口で3月4日、青山学院女子短期大学(渋谷区渋谷4)の学生による「壁画プロジェクト」が始まった。
青山学院の敷地の下を通るトンネル入り口の擁壁に壁画を描く同プロジェクト。以前から「落書き」が目立っていた同所の壁画プロジェクトを持ちかけたのは、2007年に落書き消去支援活動を行う「東京都青少年・治安対策本部」(新宿区)。美術系のカリキュラム・教員を擁する同大の開学60年にあたる2010年度内の壁画制作が実現した。
場所はトンネル北西側の約56メートルに及ぶ擁壁。壁画のテーマは「四季」で、同大1年の実践科目に「四季のイメージ表現」などの課題があることから、2008年度から2010年度に制作された学生の作品400点以上の中から基となる絵を選び、環境アートを研究分野とする芸術学科准教授の趙慶姫(チョウキョンヒ)さんが「壁画に適した構図、景観に配慮した色彩」にアレンジ。西側から東側に向かい、「早春」「春」「夏「秋」「冬」を表現した計9点の作品が登場する。
壁画は、パソコンからプロジェクターで映し出したデザインをロール紙に写し、その裏にチャコペーパーを貼り、擁壁にロール紙の上からボールペンでなぞることで輪郭を下書き。その後、19色のペンキを使って塗り分けていく。制作には同大全学科から募ったボランティアの学生と教職員延べ約150人が参加する。
「冬」のデザインに作品が使われている同大芸術学科2年の程田(ほどた)美希さんは「今年卒業なので、最後に自分たちの作品を残したいと思った」と参加理由を話す。落書きされていた以前の写真を見て「そぐわないと思った。デザイン通りに仕上げ、車やバスの中、向かいのマンションから見る方たちにも楽しいと感じていただけたら」と意欲をみせる。
壁画の完成は今月11日を予定する。