渋谷・神南の多目的スペース「ディクショナリー倶楽部」(渋谷区神南1)で2月26日、学生が作るフリーペーパーを集めたイベント「Only Free Paper Student Festa(オンリー・フリーペーパー・スチューデントフェスタ)」が開催される。主催はフリーペーパー専門店「Only Free Paper(オンリー・フリーペーパー)」(渋谷1、TEL 03-6427-6661)。
昨年12月、キャットストリートにオープンした同店は、グルメや旅、ファッション、音楽、アートなどジャンルを問わず、国内外の各種フリーペーパーをそろえる。中でも、高校や大学、専門学校など、学生自らが編集・発行を手がけるフリーペーパーの数は約3割を占める。スタッフの江上奈於さんは「ウェブやブログが同一化してしまうのに対し、紙媒体は紙質やページ数、形など自由度が高く、個別化が図りやすい」とし、さらに「ネット世代であるがゆえに紙への憧れがあるのでは」と、独自性豊かな学生フリーペーパーが以前よりも増している背景を説明する。
「全国各地でフリーペーパー作りに励む学生たちの交流の場を作りたい」――こうした思いから企画した同イベント。当日は、横浜市立大学の学生が理想の教師像などを考える教育誌「はだしの教室」、多摩川美術大学テキスタイルデザイン専攻の有志が編集するアート系雑誌「かんだちめ」、「僕からあの娘へのフリーマガジン」をコンセプトに滋賀県の男子学生2人で作る恋愛系雑誌「純真mook」、現役女子高生たちが同世代の高校生に向けて発信する情報誌「anmitsu」など、約80紙・誌が参加を予定。東北から九州まで全国の学生記者・編集者たちが一堂に会し、互いのフリーペーパーの交換・配布や情報交換などを行う。
江上さんは「完全な大人ではない16歳から22歳くらいまでにしか書けない『リアル』があり、『クオリティーがどうこう』というよりも、なぜこのテーマで書こうと決めたのかというところが面白い。ジャンルも教育や文学、アート、ファッション、恋愛、福祉、林業などさまざまで、どれも『今』が詰まっている」と、学生フリーペーパーならではの魅力を語る。
当日は同企画に連動し、創刊23年目を迎えるフリーペーパーの先駆け的な存在である「dictionary(ディクショナリー)」を発行するクラブキングの協力で、創刊から現在に至るまでの貴重なバックナンバーをギャラリー展示する。野外会場では、武蔵野美術大学2年生のムトウアキヒトさんと、はらだかおるさんのアートユニット「uwabami」がライブペインティングを行うほか、学生が製作したポストカードやグッズなどの販売ブースも設ける。
「フリーペーパーを作っている人たち同士はもちろん、外部から来られる方は文化祭に遊びに来たみたいな感じで気軽に楽しんでいただければ」とし、「そこでの『出会い』が新しい作品へつながっていけば本望」と江上さん。
開催時間は12時~19時。入場料は1,000円(1ドリンク付き)。チケットは同店とサイトで販売している。